Hatch Canvasは、
ファイル・ドキュメント・AIチャットを1つの画面にまとめたワークスペースです。
無限に広がるキャンバスの上で、
テキストも画像もコードもAIも、
全部同じ場所で動く。
AIがキャンバス全体を「見て」、
文脈を理解した上で回答してくれる。
ChatGPTとメモアプリの行ったり来たりが消える。
しかも今のところ無料で使える(ベータ期間中)。
ファイルを開いて、別タブでChatGPTに聞いて、また別タブでメモを書いて。
この行ったり来たり、だるくないですか。
これ、
Andrej Karpathy(元Tesla AI責任者、
OpenAI共同創設者)が提唱した「LLMナレッジベース」の考え方と重なる部分がある。
Karpathyが言ってたのは「素材をドサッと入れたら、
AIが整理してくれる仕組み」。
普通にやろうとすると、
Obsidian+プラグイン+Markdownファイル+カスタムツールの組み合わせが必要になる。
Hatch Canvasは、それに近いことをアプリ1つでやろうとしてるツール。
「メモやファイルが散らかってて、AIにまとめてほしい」って人。
「ChatGPTとメモアプリとファイル管理を行ったり来たりするのがしんどい」って人。
そういう人にとって、選択肢のひとつになるサービスです。
バラバラのツールを使い続ける問題とHatch Canvasの解決策は?
今のAI作業って、たいていこうなってる。
ChatGPTに質問する→回答をコピーする→Notionに貼る→画像が必要→Midjourneyに行く→戻ってきて貼り付ける。
ツール間のコピペ地獄。
しかもツールごとにコンテキスト(文脈)が切れる。
ChatGPTは「さっきNotionに書いたメモ」を知らない。
Midjourneyは「ChatGPTで決めたコンセプト」を知らない。
ひとつの作業なのに、ツールが違うせいでAIが全体像を見れない。
Hatch Canvasの設計思想は「全部を1つのキャンバスに置く」。
テキストも、画像も、コードも、AIチャットも、同じキャンバスの上にある。
だからAIはキャンバス全体を「見て」、文脈を理解した上で回答できる。
これが他のAIチャットツールとの本質的な違い。
ChatGPTやClaudeは「チャットの中身」しか見えない。
Hatch Canvasは「キャンバスに置いてあるもの全部」が見える。
| 比較項目 | 従来のAIチャット(ChatGPT等) | Hatch Canvas |
|---|---|---|
| 情報の範囲 | チャット履歴のみ | キャンバス上の全オブジェクト |
| ファイル管理 | 毎回アップロード | キャンバスに常駐 |
| 出力形式 | テキスト中心 | テキスト+画像+コード+インタラクティブ |
| コンテキスト保持 | 会話単位でリセット | プロジェクト全体で持続 |
| コラボレーション | チャットの共有 | リアルタイム同時編集 |
| 空間的な配置 | できない(1列のチャット) | 無限キャンバスで自由配置 |
一言でいうと、「MiroとChatGPTが合体した」ようなツール。
ホワイトボードの自由さと、AIチャットの賢さが1つになってる。
Karpathyの「LLMナレッジベース」とHatch Canvasの関係は?
100記事・40万語を一語も書かずに生成
ここ、ちょっと整理させてください。
Karpathyが2026年4月に公開した「LLMナレッジベース」の考え方。
ざっくり言うと、こういう仕組み。
素材(論文、記事、リポジトリ、データ)をフォルダにドサッと入れる。
AIがそれを読んで、
構造化されたWiki(百科事典みたいなもの)に自動で変換する。
Karpathyの場合、これで100記事・40万語のWikiが自動生成された。
一語も手で書かずに。
普通にこれをやろうとすると、
Obsidian(メモアプリ)、
Cursor(AIコードエディタ)、
Markdownファイル、
フォルダ構造の知識が必要。
技術者寄りのセットアップになる。
(この手順は以前の記事「Karpathy式LLMナレッジベース構築」で詳しく書いてます)
Hatch Canvasは、
この「素材を入れたらAIが整理してくれる」の部分を、
ビジュアルなキャンバスUIで実現しようとしてる。
ただし正直に言うと、
Hatch CanvasはKarpathyのワークフローを完全に再現するツールではない。
Karpathyの方式は、
AIが自律的にWikiを書いて・更新して・一貫性チェックする。
Hatch Canvasは「AIと一緒にキャンバスで作業する」という共同作業の仕組み。
方向性は似てるけど、自動化のレベルが違う。
Hatch Canvasの強みは、
技術的なセットアップなしで「ファイル+AI+作業スペース」を1つにまとめられること。
Karpathyの完全自動化がゴールなら、
Obsidian+AIコーディングツール。
「まずAIと一緒に情報整理を始めたい」なら、
Hatch Canvasのほうがハードルは低い。
リサーチ・企画・プレゼン——Hatch Canvasが使える3つの場面
リサーチを1画面で完結させたい時
新しいツールを調べたい。
普通ならブラウザでタブを10個開いて、
メモアプリに要点を書いて、
ChatGPTに要約を頼んで……とバラバラになる。
Hatch Canvasなら、
調べた内容をキャンバスに貼って、
その横でAIに質問できる。
AIはキャンバスに置いてある情報を全部見てるから、
「さっき貼ったこの記事と、
こっちの記事の違いは?」みたいな横断的な質問もできる。
企画書やアイデアをビジュアルに整理したい時
テキストだけだと考えがまとまらない人。
Hatch Canvasは無限キャンバスなので、アイデアを空間的に配置できる。
「この案とこの案は近い」「これは別の方向」みたいに、
位置関係で考えを整理できる。
AIに「このキャンバスを見て、
抜けてる視点はある?」と聞けば、
俯瞰的なフィードバックがもらえる。
チームで同時にAIを使って作業したい時
Hatch Canvasはリアルタイムの同時編集に対応してる。
複数人が同じキャンバスで、
それぞれAIに質問したり、
コンテンツを配置したりできる。
GoogleドキュメントやMiroの同時編集と同じ感覚で、
AIが加わるイメージ。
私の運用だと、
ニュース収集の振り分け作業とか、
記事の構成を考える時にキャンバス形式は合いそう。
ネタを空間的に並べて、
AIに「この3つの中でどれが一番初心者にわかりやすい?」と聞くような使い方。
Hatch Canvasに必要なものは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 現在は無料(ベータ期間中)。クレジットカード不要 |
| 必要な環境 | ブラウザのみ(Chrome、Safari、Edge等)。デスクトップアプリ(Mac/Windows)もある |
| アカウント登録 | 必要。メールかGoogleアカウント |
| 前提スキル | なし。MiroやCanvaを使ったことがあればイメージしやすい |
| 日本語対応 | UIは英語。AIへの質問は日本語で可能(ChatGPT/Claude経由) |
| 対応AIモデル | ChatGPT、Claude |
ベータ期間中なので、今なら全機能が無料。
ただし、ベータが終わったら有料プランに移行する可能性がある。
正式な料金プランは今のところ公開されていない。
Hatch Canvasの使い方は?ステップバイステップ
ステップ1:アカウントを作る
hatchcanvas.comにアクセス。
「Try Free」をクリック。
メールアドレスかGoogleアカウントでサインアップ。
クレジットカードは不要です。
ステップ2:新しいキャンバスを作る
ダッシュボードから「New Canvas」を選択。
白い無限キャンバスが開く。
ここが作業スペースになります。
ステップ3:素材をキャンバスに配置する
テキストブロック、画像、リンク、ファイル。
ドラッグ&ドロップで自由に配置できる。
たとえば「調べたいテーマの記事URL」「メモ書き」「参考画像」を並べていく。
位置は自由。上下左右どこでもいい。
見やすい配置にすればOK。
ステップ4:AIチャットで質問する
キャンバス上でAIチャットを開く。
ChatGPTかClaudeを選べる。
ここがポイント。
AIはキャンバスに置いてある素材を「全部見てる」状態で回答してくれる。
「このキャンバスにある情報を要約して」と頼めば、
配置した全素材を踏まえた要約が出てくる。
ステップ5:AIの出力をキャンバスに配置する
AIの回答は、そのままキャンバス上に配置できる。
テキスト、画像生成、コードブロック。
「この要約をもとにプレゼンのスライド構成を考えて」と続ければ、
どんどんキャンバスが充実していく。
普通のAIチャットだと回答は「会話の流れ」の中に埋もれるけど、
キャンバスなら空間的に整理して残せる。
ステップ6:共有・エクスポートする
完成したキャンバスは、公開リンクで共有できる。
公開(Public)、
非公開(Private)、
リミックス可能(Remixable)の3つの共有設定がある。
Webサイトやアプリとしてエクスポートすることも可能。
Hatch Canvasのよくある疑問(FAQ)
Q. Hatch CanvasとNotionの違いは?
Notionは「データベース+ドキュメント」が得意。
構造化された情報管理に向いてる。
Hatch Canvasは「キャンバス+AI」が得意。
ビジュアルに情報を並べて、AIと一緒に考える作業に向いてる。
ガッチリ整理するならNotion。
自由に広げながら考えるならHatch Canvas。
Q. Hatch CanvasとMiroの違いは?
Miroもキャンバス型のツールだけど、AIがネイティブに統合されていない。
Miroは「人間がホワイトボードに書く」のが前提。
Hatch Canvasは「AIがキャンバスの中身を見て、
一緒に作業する」のが前提。
AIとの共同作業が中心なら、
Hatch Canvasのほうが自然な体験になる設計になってる。
Q. 無料で使い続けられる?
今はベータ期間中で、全機能が無料。
ただし、ベータ終了後の料金プランは未発表。
無料プランが残るかどうかも不明です。
今のうちに試して、ワークフローに合うか確認しておくのがいい。
Q. オフラインで使える?
デスクトップアプリ(Mac/Windows)があるけど、
AI機能の利用にはインターネット接続が必要。
完全オフラインでは動かない。
Hatch CanvasのようなAIキャンバスが広まると何が変わる?
その繰り返し
必要な時にサポート
ビジュアルキャンバス
AI共同作業
Google発
この「AIが作業空間全体を見てくれる」という設計思想は、
今後のAIツールの主流になる可能性がある。
今のAIチャットは「1対1の会話」が基本。
ユーザーが質問して、AIが答える。その繰り返し。
でも実際の仕事は「複数の情報を同時に見ながら判断する」場面のほうが多い。
キャンバス型のAIワークスペースが普及すると、
「AIに何を質問するか」を考える必要がなくなる。
作業してる内容をAIが常に見てて、必要な時にサポートしてくれる。
「アシスタントに質問する」から「隣に座って一緒に作業する」への変化。
Claudeの「Cowork」とか、
Googleの「Project Mariner」とか、
同じ方向を目指してるサービスは他にもある。
Hatch Canvasはその中でも「ビジュアルなキャンバス」という切り口で差別化してる。
Hatch Canvasの注意点・限界
正直に書きます。
まず、ベータ版です。
UIの荒削りな部分がある。
レビューサイトでも「early-stage UI development with rough interface edges」と指摘されてる。
安定性を求めるなら、もう少し待ったほうがいいかもしれない。
次に、サードパーティとの連携がまだ弱い。
Figma、
Slack、
Google Driveとの連携は謳ってるけど、
MiroやNotionのようなエコシステムの広さはない。
既存のワークフローにガッチリ組み込むには、まだ時期尚早。
それから、Karpathyのワークフローを「完全に」再現するツールではない。
Karpathyの方式は、
AIが自律的にWikiを書いて・更新して・一貫性チェックする。
Hatch Canvasは「AIと一緒に作業する」ツールであって、
「AIが自動で全部やる」ツールではない。
自動化のレベルが違います。
最後に、料金プランが不明。
ベータ終了後にいくらかかるのかがわからない。
本格的にワークフローに組み込む前に、料金発表を待ったほうが安全です。
まとめ
Hatch Canvasは、
ファイル・ドキュメント・AIチャットを1つのキャンバスに統合したワークスペース。
AIがキャンバス全体を見て、文脈を理解した上でサポートしてくれる。
Karpathyの「LLMナレッジベース」を技術なしで始めたい人には、
入り口として使える。
ベータ版で荒削りな部分はあるけど、今なら全機能が無料。
hatchcanvas.comでアカウントを作って、
散らかってるメモやファイルを3つだけキャンバスに置いてみてください。
AIに「この3つを整理して」と頼む。
それだけで「バラバラのタブを行き来する生活」から抜け出せるかどうか、
判断できます。
参考リンク
- Hatch Canvas公式: https://hatchcanvas.com/
- Karpathy LLM Knowledge Base(GitHub Gist): https://gist.github.com/karpathy/442a6bf555914893e9891c11519de94f
- VentureBeat解説記事: https://venturebeat.com/data/karpathy-shares-llm-knowledge-base-architecture-that-bypasses-rag-with-an
※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。