Claudeを作ったAnthropic自身が、プロンプトの書き方を無料で教えてくれている。
24分のワークショップ動画、9章のインタラクティブ教材、実務で使える25個のプロンプト集の3点が全部無料。
この記事では公式教材の中身をかみ砕いて、特に使える5大テクニックと3つの実践プロンプトを取り上げる。
この記事はClaudeの出力をもう一段良くしたい人向け(AIチャットを触ったことがあれば読めます)。
「Claudeを使い始めたけど、出力がイマイチ」「プロンプトの書き方って何が正解なの?」。
そういう人にドンピシャの教材です。
作ったのはAnthropicのApplied AIチーム。
Claudeを一番よく知ってる人たちが作った、いわば「公式の教科書」です。
Claudeを仕事で使ってる人、日常的にAIチャットを使う人、出力の質をもうちょっと上げたい人に読んでほしい。
この記事では公式教材の中身をかみ砕いて取り上げます。
Claudeの公式プロンプト教材と自己流は何が違う?
→ 個人の体験ベース
訓練データを知った上で解説
ネットで「プロンプト コツ」と検索すると山ほど記事が出てきます。
ただ、書いた人がClaudeの中身を知ってるかどうかで話は全然違ってきます。
| 自己流・ネット情報 | Anthropic公式教材 | |
|---|---|---|
| 作者 | ユーザーの経験ベース | Claudeを作ったチーム自身 |
| 根拠 | 「こうやったらうまくいった」(個人の体験) | 「訓練データにこう入ってるから効く」 |
| XMLタグ推奨の理由 | 「なんとなく整理される気がする」 | 「訓練データにXMLが含まれてるから精度が高い」 |
| 例示の効果 | 「例を入れるとよくなる」 | 「3〜5個で最高の結果。それ以上は減っていく」 |
| 費用 | 有料noteや有料講座が多い | 全部無料 |
ワークショップにはAnthropic公式スタッフが講師として登壇しています。
Anthropicで実際にClaudeを訓練しているMLエンジニアです。
その講師が言った一番大事なポイントがこれ。
「完璧な例を選ぶこと。他のすべてのプロンプト技法よりも重要」
つまり、小手先のテクニックより「いい例を見せる」のが最強、という話。
Claudeを毎日使ってて、これは本当にそう思います。
「こういう出力がほしい」の例を1つ見せる方が、指示を長く書くより早い。
Claudeプロンプトの5大テクニックとは?
公式教材のテクニックを5つに絞って紹介します。
1. XMLタグで構造を分ける
Claudeに指示を出す時、情報と指示をごちゃ混ぜにせず、XMLタグで区切ります。
XMLタグというのはこういうやつ。
<instructions>ここに指示</instructions>
<document>ここに読ませたい文章</document>
なぜこれが効くのか。
Claudeは訓練データにXMLが大量に入っているので、XMLタグを見ると「ここまでが1つのかたまり」と正確に認識できます。
マークダウン(# とか - とか)より精度が高い。
ワークショップでもこう言われていました。
「プロンプトの各部分をはっきり分けること。
これが最も重要」。
私もClaude Codeで使ってますが、XMLタグで分けると出力の安定感が全然違います。
2. 例を3〜5個見せる
公式ドキュメントにはっきり書いてあります。
「3〜5個の例で最高の結果が得られる」と。
例を見せるのが一番確実な方法です。
ポイントは2つ。
まず、良い例と悪い例をセットで見せる。
「これはOK、これはNG」のペアにすると、Claudeが「境界線」を理解できます。
もう1つ、例は `<example>` タグで囲む。
指示と例を区別できるので、Claudeが混乱しません。
3. 指示は後ろに置く
「プロンプトの最後にある指示」が一番強い。
これはClaude特有の傾向です。
長い文書を読ませて質問するなら、文書を先に置いて、質問は最後に書きます。
公式テストの結果、質問を後ろに置くと回答の質が最大30%向上したとのこと。
文書が長ければ長いほど、この順番が大事になります。
4. 「やるな」より「やれ」で伝える
ワークショップで面白かったのがこれ。
「○○するな」と強く言うと、逆にそれをやってしまう、という話。
「ピンクの象を想像するな」と言われたら、想像しちゃいますよね。
あれと同じ。
だから「マークダウンを使うな」じゃなくて、「なめらかな散文で書いて」と言う。
禁止より、やってほしいことを具体的に伝える方が効きます。
5. 理由を添える
公式ドキュメントの例がわかりやすい。
「省略記号を使うな」だけだと効きにくい。
でもこう書くと効きます。
「あなたの回答は読み上げエンジンで読まれます。
省略記号は発音できないので使わないで」
理由があると、Claudeが指示を「応用」してくれる。
「ほかにも困るもの」を推測して避けてくれます。
私もClaude Codeで「なぜそうしてほしいか」を書くようにしていて、理由の有無で出力の質が目に見えて変わります。
Claudeプロンプトが活きるのはどんな場面?
Note記事やSNS投稿の下書きを作る時
「こういうトーンで書いて」だけだと出力がブレます。
でも「良い例」と「悪い例」をセットで見せるだけで、一発で安定します。
私はブログ記事のトーンを揃えたい時、過去の記事を `<example>` タグで渡してます。
これだけで修正の往復が激減しました。
長い資料を読ませて質問する時
PDFやWebページの内容をClaudeに渡して「要約して」「ポイント教えて」と聞く時。
資料を先に置いて質問は最後にするだけで、回答の質が30%上がるという公式データがあります。
順番を変えるだけで0円で品質が上がる、ありがたい話。
企画やアイデアの壁打ち
「プレモーテム」のプロンプトがめちゃくちゃ使えます。
新しい企画を始める前に「これが失敗する理由を3つ教えて」と聞くと、気づかなかった弱点が出てきます。
私は新しい発信企画を始める前に、これを必ず1回やるようにしました。
Claude Codeでの作業指示
Claude Codeで「このファイルを修正して」と頼む時、XMLタグで指示と参照データを分けると精度が上がります。
「委任ブリーフ」(後述)で完了条件と判断範囲を最初に決めると、やりとりの往復が減る。
これは毎日実感してます。
25個の実践プロンプト集で特に使えるのは?
公式ワークショップとは別に、25個のプロンプト集も話題になっています。
これは公式教材ではなく、ユーザー有志が6ヶ月間毎日テストして、生き残った25個だけを公開したもの。
投稿者はこう書いていました。
「ほとんどのプロンプト集はギミックだらけ。
『海賊になりきって量子力学を説明して』のような実用価値ゼロのものばかり」
その25個の中で、私が特に使えると思った3つを取り上げます。
委任ブリーフ(Delegation Brief)
「完了の定義と判断の権限を明確にしろ」というプロンプト。
使うとやりとりの往復が80%減るとのこと。
AIに「これやって」だけだと、確認のやりとりが何度も発生します。
「完成の条件はこれ。
判断はここまで任せる。
ここからは聞いて」。
最初にこれを伝えるだけで、一発でほぼ完成品が返ってきます。
プレモーテム(Pre-Mortem)
こんな質問をAIに投げます。
「これが6ヶ月後に失敗したと仮定して。
最も可能性の高い3つの理由を教えて。
失敗は実際にどう見えるか?」。
Anthropicのプロダクトチームが、重要な意思決定のたびに使っているそうです。
「うまくいく理由」はみんな考える。
でも「失敗する理由」を先に考える人は少ない。
痛いところを先に見つけられる、というのが効果。
ノート統合(Notes Synthesis)
バラバラのメモやアイデアの断片をClaudeに渡して、統合してもらうプロンプト。
ポイントは「繰り返すな。
統合しろ」と指定すること。
何も言わないとClaudeはメモを並べ直すだけで終わります。
「統合して。
パターンを見つけて。
気づいてないつながりを教えて」。
こう伝えると、断片から新しい洞察を引き出してくれます。
Claudeプロンプト教材の始め方は?ステップバイステップ
公式教材は3つあって、どれも無料です。おすすめの順番で取り上げます。
ステップ1: 24分のワークショップ動画を見る
一番手軽。
YouTubeで「Building with Anthropic Claude Prompt Workshop」と検索するだけで出てきます。
24分で全体像がつかめる。
英語ですが字幕付きです。
Claudeに「この動画の要点を日本語で教えて」と動画URLを渡すだけでも要約してくれます。
ステップ2: 25個のプロンプトから2つだけ試す
全部やろうとしなくていい。
まず「委任ブリーフ」と「プレモーテム」だけ。
参考リンクの投稿URLを開いて、コピペして使います。
英語ですが、Claudeに「このプロンプトを日本語にして、私の仕事で使える形にして」と頼めば、手元の仕事に合う形にしてもらえます。
ステップ3: インタラクティブ教材で深掘りする
もっと順を追って学びたくなったら、Google Sheets版の教材を開きます。
URLは参考リンクにまとめてあります。
全9章。
- 初級: 基本構造、明確な指示、ロール設定
- 中級: データと指示の分離、出力フォーマット、段階的思考
- 上級: 例の使い方、ハルシネーション防止、実務ケース
GitHubで34,700スターを超えている人気教材です。
Claudeプロンプト教材を使うのに必要なものは?
| 必要なもの | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Claudeアカウント | 無料プランあり | 練習は無料プランで十分 |
| Google Sheets教材 | 無料 | Googleアカウントで使える |
| ワークショップ動画 | 無料 | YouTube。英語(字幕あり) |
| Claude for Sheets拡張 | APIキー必要(従量課金) | 教材内でClaudeを動かす場合 |
動画を見るだけなら完全無料。
教材内でClaudeを動かしたい場合は、APIキーが必要になります。
ただ練習レベルなら数十円〜数百円程度で済みます。
日本語対応については、教材自体は英語ですが、Claudeに「日本語で要約して」と頼めばOK。
テクニック自体は日本語でも同じように使えます。
Claudeプロンプト教材のよくある疑問は?
Q. プログラミング知識がなくても使えますか?
使えます。
教材の大半はテキストの書き方の話です。
XMLタグも、コードに見えるけど「かっこで囲む」だけ。
`<指示>ここに指示を書く</指示>` のように日本語のタグ名でも動きます。
プログラミングとは別物です。
Q. ChatGPTやGeminiでも使えますか?
半分くらいは使えます。
「明確に書く」「例を見せる」「理由を添える」、この3つはどのAIでも効果があります。
ただしXMLタグの効果はClaude固有。
訓練データにXMLが含まれているから効くんです。
他のAIでは同じ効果は保証されません。
「指示を後ろに置く」もClaude特有です。
Claude向けテクニックと汎用テクニックが混ざっているので、区別して使ってください。
Q. 動画と教材、どっちを先にやるべき?
まず24分のワークショップ動画。
全体像がつかめます。
その後、教材で手を動かしながら深掘りする順番がいい。
逆だと教材の量に圧倒されて挫折しやすいです。
Q. 25個のプロンプトはどこで手に入る?
参考リンクに元投稿のURLを載せています。
英語ですが、Claudeに翻訳を頼めば一瞬。
「このプロンプトを日本語にして」「私の仕事で使える形にして」と頼めば、カスタマイズされたものが返ってきます。
Claudeプロンプト教材の注意点と限界は?
限界も書いておきます。
まず、教材は英語のみで、日本語の公式チュートリアルは存在しません。
ただ、教材自体をClaudeに読ませて翻訳してもらえば解決します。
AIの教材をAIで翻訳する、というちょっと面白い構図ですけど。
次に、教材の内容は「API設計」寄りです。
メインターゲットはプロダクト開発者で、普段のチャットで使うコツも含まれてはいますが、「XMLタグ?API?なにそれ?」という人は、まずワークショップ動画だけ見ればいい。
日常使いのポイントも十分拾えます。
最後に、25個のプロンプト集は公式教材ではありません。
ユーザー有志が6ヶ月テストして厳選したものです。
公式ワークショップを補完する実践集として位置づけてください。
プロンプトの書き方が変わると何が変わる?
プロンプトは「AIへの仕事の頼み方」です。
頼み方がうまい人は100点の答えが返ってくるし、雑な人は60点に「使えないなぁ」と言ってる。
AIの性能は同じで、使う人の側で差がつきます。
公式教材で一番刺さったのが「同僚テスト」。
「そのプロンプトを事情を知らない同僚に見せて。
同僚が困るなら、Claudeも困る」という考え方。
シンプルだけど、これだけで9割改善できます。
まず24分の動画を1回見てみてください。
そして「委任ブリーフ」と「プレモーテム」を、明日の仕事で1回ずつ使ってみる。
プロンプトの書き方が変わると、AIが別物に感じます。
このページに出てきた言葉
- プロンプト
- AIに対する指示文。「○○を書いて」「△△を要約して」のような頼み方の文章
- XMLタグ
- `<名前>〜</名前>` の形で文章の一部を囲って「ここからここまで」と示す書き方
- マークダウン
- 文章を整形するための簡単な記号ルール(`#` 見出し、`-` 箇条書きなど)
- Few-shot(フューショット)
- 「例を数個見せてから本題を頼む」プロンプトのやり方の正式名称
- 委任ブリーフ
- 完了条件・判断の範囲・聞き返すタイミングを最初にAIに伝えるプロンプトの型
- プレモーテム
- 実行前に「もし失敗するならどう失敗するか」を仮定で洗い出す手法
- ハルシネーション
- AIが事実と違うことをもっともらしく言ってしまう現象
- API
- 別のソフトから機能を呼び出すための窓口。Claude APIを使うと手元のプログラムからClaudeを呼び出せる
- APIキー
- APIを使うための鍵。Anthropicのサイトで発行する
- 従量課金
- 使った分だけ料金が発生する仕組み
- 訓練データ
- AIが学習に使った大量のテキスト
参考リンク
Anthropic公式プロンプトガイド: https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/prompt-engineering/overview
Anthropic公式ベストプラクティス: https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/prompt-engineering/claude-prompting-best-practices
インタラクティブ教材(GitHub): https://github.com/anthropics/prompt-eng-interactive-tutorial
インタラクティブ教材(Google Sheets版): https://docs.google.com/spreadsheets/d/19jzLgRruG9kjUQNKtCg1ZjdD6l6weA6qRXG5zLIAhC8
※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。