AI活用全般

ChatGPTのモデル切替が入力欄の中に移動|Thinking Effort(思考の深さ指定)も1クリックで選べるUIへ刷新

ChatGPT を開いたら、
いつものモデル切替メニューが消えていて、
メッセージ入力欄の中に移っている。

4月28日のアップデートで、
Thinking Effort(思考の深さ指定)も同じ場所から直接選べるようになった。

対象は Plus / Pro / Business の Web版のみ。
Free と Enterprise / Edu は4月末時点では対象外。

この記事はPlus / Pro / Business を毎日使っていて、
モデル切替やThinking起動の動線を毎回探している中級ユーザー
向け(ChatGPT のモデル選択メニューを触ったことがあれば読めます)。

そもそも「モデルピッカー統合」って何が変わった?

モデルを選ぶ場所が「画面上部の独立したメニュー」から「メッセージを書く入力欄の中」に引っ越しました。

OpenAI公式リリースノートはこう書いています。

"Model selection now appears in the composer, so you can find and switch models from the same place where you write your prompt."

(出典: ChatGPT Release Notes / OpenAI Help Center)

ここで一緒に動かされたのが Thinking Effort です。
これも同じピッカーの中に格納されました。
公式の表現はこうです。

"Thinking effort controls moved into the model picker for Thinking and Pro models"

(出典: 同上)

地味な変更に思えます。が、毎日使う人にとっては結構効きます。

なぜ今このUIに統合したのか?モデル多すぎ問題への構造的回答

背景を理解しないと、
この変更の意味は伝わりません。
私はこの統合を「OpenAI が抱えていたモデル多すぎ問題への、
3手目の回答」と読んでいます。

2025年は GPT-4o / GPT-4.1 / GPT-4.5 / o1 / o3 / o3-pro / o4-mini が並列で並んでいて、
ピッカーが完全に飽和していました。
OpenAI Developer Community でも当時から「モデルが多すぎて選べない」という議論が継続的に上がっています。

"With so many models in the dropdown, users spend more time choosing than using."

(出典: OpenAI Developer Community)

GPT-5 のローンチ時に一度ピッカーを廃止しようとして、
ユーザーから強い反発が出て再導入された、
という経緯があります。
OpenAI Help Center のリリースノートでも、
その揺り戻しの過程が明記されています。

そこから始まった整理の流れがこうです。

  • 2026年3月17日: モデルピッカーを Instant / Thinking / Pro の3分類に簡素化
  • 2026年3月18日: GPT-5.4 mini をピッカー外の fallback として裏側に隠す
  • 2026年3月25日: 5,000字以上のペーストを自動でファイル添付化(コンポーザーの集約進行)
  • 2026年4月23日: GPT-5.5 リリース(Plus / Pro / Business / Enterprise 対応)
  • 2026年4月28日: モデルピッカーをコンポーザーに統合+Thinking Effort も同居

3月の「3分類化」と4月の「コンポーザー統合」は地続きです。
OpenAI はモデル選択を「会話を始める前の準備作業」から「メッセージを書く一連の動作の中の1ステップ」に格下げしようとしている、
と私は理解しています。

OpenAI Help Center の Release Notes 側もこれを裏打ちする記述です。

"Three clearer choices — Instant, Thinking, and Pro — replace technical model names for most users."

(出典: Model Release Notes / OpenAI Help Center)

つまり今回の統合は単発のUI改修ではなく、
過去半年の整理の到着点という位置づけです。

新UIと旧UIで何が違う?比較表

これが体感で一番大きい差分です。3クリック→1クリック動線への圧縮。

操作 旧UI(4月27日まで) 新UI(4月28日以降)
モデルを切り替える場所 画面上部のドロップダウンメニュー メッセージ入力欄の中(コンポーザー内)
Thinking Effort を設定する場所 画面上部メニュー → Configure → Thinking レベル選択 モデルピッカー内で直接選択
Thinking 起動までのクリック数 3クリック(モデル選択→設定→レベル) 1クリック(ピッカー内で選ぶだけ)
選択タイミング 送信前に画面上部に視線を上げる必要 プロンプトを書く流れの中で設定可能
視認性 設定が「Configure」配下に隠れがち 送信ボタン横に常時表示

1日に20回 Thinking を切り替える人なら、
月に1,200クリックが400クリックに圧縮される計算です。
これは正直効きます。

追加の公式表現がこの設計意図を端的にまとめています。

"making it easier to choose the right model before you send a message"

(出典: ChatGPT Release Notes / OpenAI Help Center)

新UIが見えるのはどのプラン・どの環境?

OpenAI Help Center で確認できる公式原文が一番はっきりしています。

"This update is available on web to ChatGPT users on Plus, Pro, and Business plans."

(出典: ChatGPT Release Notes / OpenAI Help Center)

整理するとこうなります。

プラン 新UI対応(4月28日時点) 備考
Free 非対応 GPT-5.3 Instant 固定でモデルピッカー自体が無い
Plus($20/月) 対応(Web版) Thinking Effort は Standard / Extended の2段階
Pro($200/月) 対応(Web版) Thinking Effort は Light / Standard / Extended / Heavy の4段階
Business 対応(Web版) Plus と同じく Standard / Extended の2段階
Enterprise 4月28日時点で明示なし Enterprise / Edu は別リリースノート系で別途展開が通例
Edu 同上 同上
iOS / Android アプリ 非対応(Web版限定) "on web" と公式明示。モバイル展開時期は未公表

ロールアウトは段階展開なので、
対象プランでも「手元のアカウントにはまだ来てない」状態は普通に起こります。
OpenAI Developer Community でも複数の遅延報告が確認できます。

Thinking Effort の選び方は?Standard / Extended / Heavy / Light の使い分け

ここが draft や日本語まとめ記事で一番ブレていた箇所。
UI上の正式ラベルは「low / medium / high」ではなく、
Standard / Extended / Heavy / Light の4種になっている。

OpenAI Help Center のモデルリリースノートに対応関係が整理されています。

レベル名 性格 対応プラン 第三者観察での推論予算目安
Light 最速・最軽量。短い質問向け Pro 専用 非公式観察で最小レンジ
Standard 速度と深さのバランス。新デフォルト Plus / Business / Pro 非公式観察で中位レンジ
Extended 難しい質問向け。旧Plusデフォルト相当 Plus / Business / Pro 非公式観察で上位レンジ
Heavy 最深・最長思考。複雑な分析向け Pro 専用 非公式観察で最大レンジ

各レベルの内部推論予算については、
第三者観察として「Light が最も軽く、
Heavy は Light の数十倍規模に達する」という報告が継続的に上がっています。
OpenAI 公式は推論予算の具体値を公開していないため、
本記事では数値ではなく相対関係のみ示します。

使い分けのざっくり目安はこうです。

  • 1〜2行で答えが出る質問 → Light(Pro)/ Standard(Plus・Business)
  • 普段の調べ物・雑な相談 → Standard 固定でほぼ問題なし
  • 長文ドキュメントの要約、複数条件の比較 → Extended
  • 債券評価・計量経済学・複雑な医療判断 → Heavy(Pro 限定)

OpenAI Help Center のモデル仕様もこの方向性で書かれています。

"Lighter processing for straightforward queries, deeper thinking reserved for complex subjects."

(出典: Model Release Notes / OpenAI Help Center)

個人的には Plus 利用者にとっての「Standard と Extended の境界」が一番悩むところだと感じます。
普段は Standard で困らない、
込み入った相談だけ Extended、
で十分。
私なら Pro に上げるかどうかの判断は「Heavy が要る場面が月3回以上あるか」で切ります。

新UIの使い方は?コンポーザーから1クリックで切り替える3ステップ

OpenAI 公式リリースノートから再構成した手順です。

  1. STEP1:ChatGPT を Web版(chatgpt.com)で開く。モバイルアプリは現時点で対象外なので、PC のブラウザかスマホのブラウザで開く必要があります。
  2. STEP2:画面下部のメッセージ入力欄(コンポーザー)を見る。送信ボタンの近くにモデル名(Instant / Thinking / Pro 等)が表示されています。旧UIで上部にあったドロップダウンが、ここに移動しています。
  3. STEP3:モデル名をクリックして、出てきたピッカーから「モデル+Thinking Effort」を一括で選んで送信。Plus / Business なら Standard か Extended、Pro なら Light / Standard / Extended / Heavy が並びます。選んだ瞬間に確定し、そのままプロンプトを書いて送信できます。

引っかかりやすいポイントは、
ピッカーが出ない場合「アカウントにまだロールアウトが届いていない」可能性が高いことです。
Web版でログインし直す、
ブラウザのキャッシュを消す、
で解決する事例が OpenAI Developer Community に複数上がっています。

もう1点、
Pro プランで GPT-5.4 Pro モデルを選ぶと、
Apps / Memory / Canvas / 画像生成が無効化されます。
純粋推論モードに特化する設計なので、
画像を出したいなら Thinking 側に切り替える必要があります。
これは新UIでも変わっていません。

新UIへの批判・懸念は?モデルルーティング問題と他者声

歓迎ばかりではありません。歯切れよく書いておきます。

まず気になるのが「指定したモデルで本当に動いているのか」という疑念。
OpenAI Developer Community のスレッドで以下のような報告があります。

"Despite explicitly selecting 'ChatGPT 5.2 Thinking' with Extended Thinking enabled, the system appears to route certain prompts to the Instant model instead."

(出典: OpenAI Developer Community)

同じスレッドで「Extended にしたのに『a couple of seconds』もかからず即返答が来る」「OpenAI はルーティングの仕様を公式説明していない」という声が並んでいる。
新UIで選択肢が見やすくなったぶん、
選んだものが効いていないと感じた時の不満は逆に大きくなる構造ですね。

もうひとつ気になるのは API との対応関係が公式未定義のまま放置されている件。

API 側の thinking_effort(none / low / medium / high / xhigh)と、
ChatGPT UI の Standard / Extended / Heavy / Light が、
どう対応するかは公式ドキュメント上に記載がない。

(出典: OpenAI Developer Community)

UI と API を行き来する開発者にとっては、ここの不透明さは結構痛い。

最後に、
Developer Community 内では「設定メニューの中にまだ複数のモデルが隠れていてアクセスしにくい」という構造的な指摘も上がっています。
コンポーザーに統合された一方で、
レガシーモデルや一部の専用モデルは Configure 配下に残っている、
というUIの二重構造への不満ですね。

"The composer picker is cleaner, but legacy models and some specialized variants are still buried inside Configure."

(出典: OpenAI Developer Community)

私の見方では、
コンポーザー統合は導線を短くした正解の改修だが、
ルーティングの透明性問題は別軸で残っている、
というのが実態に近いと思う。

OpenAI Help Center 側もモデル整理の途上にあることを暗に認める記述を続けています。

"We continue to iterate on model selection and personalization based on user feedback."

(出典: Model Release Notes / OpenAI Help Center)

イテレーション前提で見るなら、
4月28日のUIはまだ「途中経過」と捉えるのが現実的です。

ChatGPT 新UIに関するよくある質問は?

Q. 新UIはいつから使える?

OpenAI 公式リリースノートによれば 2026年4月28日 から。
Plus / Pro / Business の Web版に段階展開中です。
Free や Enterprise / Edu は4月末時点で明示なし。

Q. iOS や Android のアプリでも見える?

公式表現は「on web」のみで、
モバイルアプリへの展開時期は非公表です(出典: ChatGPT Release Notes / OpenAI Help Center)。
当面は Web版での確認が確実です。

Q. Plus でも Heavy は使える?

使えません。
Heavy と Light は Pro 専用。
Plus と Business は Standard / Extended の2段階のみです(出典: Model Release Notes / OpenAI Help Center)。

Q. Thinking Effort で「Standard」と「Extended」のどっちを選ぶべき?

普段は Standard で問題なし。
長文の要約・複数条件の比較・込み入った相談など、
答えが分岐しそうな場面でだけ Extended に切り替えるのが効率的です。
Standard が新デフォルトに据え直されたのは、
OpenAI 側が「ユーザーは速いレスポンスを好む」と観察した結果だと公式リリースノートで触れられています。

Q. UI で選んだモデルが本当に効いているか確認する方法は?

応答の冒頭に「Thinking…」「a couple of seconds」のような思考時間表示が出るかを目安にする運用が多いです。
出ない場合 Instant にルーティングされている可能性があり、
Developer Community でも複数報告があります(出典: OpenAI Developer Community)。

Q. API の thinking_effort と UI の Standard / Extended は同じ?

公式の対応表はありません。
API 側は none / low / medium / high / xhigh の5段階、
UI 側は Standard / Extended / Heavy / Light の4段階で別体系です。
両方使う場合はマッピングを自前で観察するしかない、
というのが現状です(出典: OpenAI Developer Community)。

Q. 旧UI(上部メニュー)に戻す方法はある?

4月28日のリリースノートには戻す設定の記載なし。
Configure メニュー側に一部モデルが残っているという Developer Community の報告はありますが、
コンポーザー統合自体のロールバックは公式に提供されていません。

新UIを使う前に押さえておく注意点

3点だけ。

  • ロールアウトはアカウント単位で順次。プランが該当していてもピッカーが旧UIのままの場合、再ログイン・キャッシュクリアで反映が早まる事例あり。それでも来ない時は数日待つ
  • 選んだモデルが効いていないケースは普通に起こりうる。応答の思考時間表示で軽くチェックする習慣を持つ。重い案件で Standard に勝手にルーティングされていたら時間の損失が大きい
  • Plus で Heavy・Light が見えなくても異常ではない。これは Pro 限定機能。月$20で使える範囲は Standard / Extended の2段階だけ、と把握しておけば混乱しない

個人的には3つ目が一番見落とされがちだと感じています。
Pro 解説記事を Plus ユーザーが読むと「画面にレベルが2つしか出ない」とハマる。

このUI統合が広がると、ChatGPT の使い方は何が変わる?

3つの方向に効く改修だと整理しました。

まず効くのは教育・研修用途。
社内で「Thinking レベルってどこから設定するの」という質問が消えます。
コンポーザーを指差すだけで説明が終わる。
研修担当者の説明コストが下がる動線ですね。

次に挙がるのがヘビーユーザーの操作疲労の削減。
1日に20回 Thinking を切り替える人で、
月1,200クリックが400クリックに圧縮される計算は前述の通りです。
塵も積もって肩こりに直結します。

最後にモデル多すぎ問題の収束。
3月の3分類化+3月の自動添付化+4月のコンポーザー統合で、
コンポーザーが「モデル選択・思考レベル・大量テキスト処理」を一括で受け持つハブになりました。
今後 Apps や Canvas の起動もコンポーザー側に寄っていく可能性があります。

4月28日時点では地味な見た目の改修ですが、
過去半年の整理の到着点という意味で、
ChatGPT のUI設計の方向性が一番はっきり見える瞬間。

まとめ

OpenAI が4月28日に出したUI統合は、
モデル多すぎ問題への構造的回答です。
3クリック動線が1クリックに圧縮された分、
毎日使うユーザーの操作コストは確実に下がります。

一方で、
選んだモデルが本当に走っているかというルーティング透明性の問題、
API との対応未定義の問題は別軸で残っています。
新UIが届いたら、
応答の思考時間表示を一度目視で確認する習慣をつけるのが安全策です。

Plus は Standard / Extended の2択、
Pro は Light / Standard / Extended / Heavy の4択。
ここのプラン差を把握しておけば、
解説記事の取り違えで困ることもなくなります。

このページに出てきた言葉

コンポーザー
ChatGPT の画面下部にある、メッセージを書いて送る入力エリア
モデルピッカー
使う AI モデル(Instant / Thinking / Pro)を選ぶメニュー
Thinking Effort
AI が答える前に「どれくらい長く考えるか」を指定する設定
Standard / Extended
Thinking Effort のレベル名。Plus / Business / Pro 共通で使える2段階
Heavy / Light
Thinking Effort のレベル名。Pro プラン限定で追加される深さと軽さの両端
fallback
メイン想定のモデルが使えない時、自動で代わりに動く控えのモデル
ロールアウト
機能を全ユーザーに一気に出さず、段階的に少しずつ展開する配信方式
ルーティング
選んだモデルに対して、システムが内部で実際にどのモデルへ処理を振り分けるか

参考リンク

※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。

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