AIが私のかわりに動くエージェントの完全ガイド
Hermes Agent(ハーミーズ・エージェント)は無料のオープンソースAIエージェント。
ChatGPTのように会話するだけのAIではなく、頼んだ仕事を私の代わりに勝手に動いてやってくれます。
「Orange Book(オレンジブック)」はその作り方をまとめた全17章・5パートのガイドで、GitHubで無料公開されています。
この記事ではHermes Agentの仕組み、Orange Bookに沿った始め方、注意点を一通り並べます。
この記事は「ChatGPTより一歩踏み込んでAIを使い倒したい」人向け(プログラミング経験ゼロでも読めます。
ターミナル操作はClaude Codeに頼る前提)。
「AIエージェントって最近よく聞く」。
「でも私が作るとなると、何から始めれば?」。
そう思ってる人は多いと思います。
ChatGPTやClaudeに聞けば答えは返ってくる。
でも「毎朝決まった時間にニュースを集めて」。
「それをLINEに自動で送ってくれるAI」。
こういうのはチャットだけだと無理です。
Hermes Agentはまさにそういう用途のツール。
「私だけのAI秘書」を作れます。
こういう人に読んでほしい記事です。
「AIエージェントを作りたいけど、コードは書けない」。
「ChatGPTの会話だけじゃ物足りない」。
「DiscordやLINEにAIを住まわせたい」。
Hermes Agentは普通のAIチャットと何が違う?
🔁 毎回同じスタートから
🌐 ブラウザの中だけ
⏰ 私が開いて聞く必要あり
💰 月額$20〜
🚀 スキル(よく使う手順)を自動生成
💬 Discord・Slack・WhatsApp等
✅ 決まった時間に自動で動く
🆕 無料(サーバー代のみ)
ざっくり言います。
ChatGPTやClaudeは「聞いたら答える人」。
Hermes Agentは「頼んだら動く人」。
しかも「前に頼まれた件、覚えてますよ」って言ってくるタイプです。
| 普通のAIチャット | Hermes Agent | |
|---|---|---|
| 記憶 | 会話が終わるとリセット | 過去の会話も好みも覚えてる |
| 学習 | 毎回同じスタートから | 「スキル」を自動生成して賢くなる |
| 動ける場所 | ブラウザかアプリの中だけ | Discord、Slack、WhatsApp、Signal、Telegram、CLI(ターミナル) |
| 自動実行 | 私が開いて聞く必要あり | 決まった時間に勝手に動く |
| 料金 | 月額$20〜 | 無料。サーバー代のみ |
一番大きいのは「記憶」と「自動実行」。
たとえばこう頼みます。
「毎朝8時にAIニュースをまとめて」。
「Discordに投稿して」。
一度設定すれば、あとは勝手に動きます。
しかも前回集めたニュースを覚えています。
「今回は被らないようにしよう」と勝手に判断する。
普通のチャットAIには絶対できない芸当です。
Hermes Agentの「3層メモリ」って何?
Hermes Agentが賢い理由の核心。
それが「3層メモリシステム」です。
人間に置き換えると分かりやすい。
第1層:今の会話の記憶。
「さっき何を話してたか」を覚えてる。
これはChatGPTでもできます。
第2層:過去の会話の記憶。
「先週頼まれたあの件、終わりましたよ」ができる。
会話を閉じても忘れません。
検索もできます。
「3日前にお願いしたやつ」で見つかる。
第3層:私自身のプロフィール。
「この人は朝型だ」。
「テック系のニュースが好きだ」。
「日本語で返してほしい人だ」。
こういうことを勝手に学習します。
新入社員をイメージしてください。
最初はぎこちない。
でも3ヶ月もすれば「先にやっときました」って言い出す。
その成長をAIがやるわけです。
公式GitHubは「FTS5(高速な全文検索)でセッションを横断検索し、LLMが要約する」と明記しています。
検索の根っこは普通の全文検索エンジンで、AIはその結果を要約する役回り。
技術的には地味ですが、実用上の効果は大きいです。
Hermes Agentの「自己学習ループ」はどう動く?
もう一つの目玉機能です。
仕組みを聞くと「え、そんなことできるの」ってなる。
流れはこう。
1. 私が何かを頼む。
2. Hermes Agentが実行する。
3. うまくいった手順を「スキル」として保存する。
4. 次に似た依頼が来たら、そのスキルで対応する。
もっと速く、もっと正確に。
具体例で書きます。
「この英語記事を日本語に要約して」。
これを3回頼んだとします。
1回目はちょっとぎこちない。
2回目は「前回こうやったな」と覚えている。
3回目には「要約スキル」が自動で作られる。
一発で仕上がります。
人間の仕事の覚え方と一緒です。
ただしAIなので忘れない。
疲れないし、24時間動きます。
公式GitHubも「複雑なタスクの後にスキルを自動生成」「スキルは使われながら自己改善する」と明示しています。
要するに、使えば使うほど賢くなる仕掛けが最初から組み込まれている設計です。
Hermes Agent Orange Bookの全17章リストは?
「全17章ガイド」と聞くと身構えますが、5部に分かれているので構造はシンプルです。
Orange Book公式GitHubの章構成を一覧化します。
| 部 | 章 | テーマ |
|---|---|---|
| 第1部 概念 | 第1〜2章 | HarnessからHermesへ。AIエージェントの設計思想 |
| 第2部 コア機構 | 第3〜6章 | 自己学習ループ、3層メモリ、スキル、内蔵ツール群 |
| 第3部 ハンズオン | 第7〜11章 | インストール、最初の会話、プラットフォーム接続、カスタマイズ |
| 第4部 実世界応用 | 第12〜15章 | ナレッジ助手、開発自動化、コンテンツ制作、マルチエージェント |
| 第5部 深掘り考察 | 第16〜17章 | 他エージェントとの比較分析、自己改善の限界 |
必要な部だけ拾い読みできる構成です。
「概念だけ知りたい」なら第1部の2章だけ。
「とりあえず動かしたい」なら第3部から飛び込む。
「私の用途に近いシナリオを見たい」なら第4部だけ。
17章を頭から全部読む必要は、正直ありません。
Hermes Agentはどういう場面で使える?
毎朝8時にAIニュースをDiscordに自動投稿。同じニュースの重複もなし
Slack・WhatsApp等6プラットフォームでマニュアルや議事録に回答
ネタ出し→下書き→校正まで一気通貫。文体も学習
リサーチ・執筆・チェック担当を分けてチームのように動かす
毎日のニュース収集をDiscordに自動投稿
「毎朝8時にAIニュースをまとめて」。
「チームのDiscordに投げて」。
一度設定すれば、放っておいてOK。
cron(クロン。決まった時間に処理を走らせる仕組み)が内蔵されています。
外部ツールは要りません。
メモリがあるから同じニュースを二度送ることもない。
SlackやWhatsAppに住むQ&Aボット
社内マニュアルや議事録を読ませる。
すると「あの件どうなった?」に答えるAIができます。
対応プラットフォームは6つ。
Telegram、Discord、Slack。
WhatsApp、Signal、CLI(ターミナル)。
主要チャットツールはほぼカバーしています。
ブログやSNSの下書きを自動生成
Orange Bookの第14章がこれ。
「Content Creation Pipeline」。
ネタ出し→下書き→校正まで一気通貫です。
私の文体を学習させられます。
毎回「もっとカジュアルに」と言い直す手間がなくなる。
複数のAIエージェントを連携させる
第15章が「Multi-Agent Orchestration」。
複数のHermes Agentを連携させます。
「リサーチ担当AI」「執筆担当AI」「チェック担当AI」。
役割分担させて、チームのように動かせる。
Hermes Agentに必要なものは?料金・環境・スキル
料金:無料。
Hermes Agent本体はMITライセンスのオープンソース。
本体GitHubは約11.8万スター(公式リポジトリ集計)。
開発に参加している人も多数います。
活発なプロジェクトです。
ただしサーバーは私で用意します。
最安で月$5のVPS(Virtual Private Server。
仮想レンタルサーバー)。
月700円くらいです。
動作環境:
Linux、macOS、WSL2、Termux。
WSL2はWindowsでLinuxを動かす仕組み。
TermuxはAndroidのターミナルアプリです。
Windowsユーザーは WSL2で動かせます。
前提スキル:
ターミナル(黒い画面で文字コマンドを打つ操作画面)を触ったことがない人にはハードルがあります。
でもClaude Codeに頼めば大丈夫。
「Hermes Agentをインストールして」と言えばコマンドを教えてくれます。
Orange Bookの第7〜11章がハンズオン。
実際に手を動かすパートです。
順番にやれば大丈夫。
Orange Bookの入手:
GitHubで無料公開されています。
英語版と中国語版のPDFあり。
日本語版は今のところありません。
でもPDFをClaude Codeに読み込ませればOK。
日本語で解説してもらえます。
日本語対応:
Hermes Agentの日本語UIはありません。
ただしAIモデル自体が日本語を理解します。
日本語で指示を出して、日本語で返答を受け取れます。
Hermes Agentの始め方は?Orange Bookを使ったステップバイステップ
ここからが本題です。
Orange Bookに沿って進めます。
ステップ1:Orange Bookをダウンロード
GitHubのページにアクセスします。
https://github.com/alchaincyf/hermes-agent-orange-book
期待結果: リポジトリのトップページが開き、PDFファイルへのリンクが見えます。
英語版PDFをダウンロードします。
詰まりどころ: 英語が不安な人は、PDFをClaude Codeに渡してください。
「日本語で要約して」と頼めばOK。
章ごとに聞けば翻訳代わりになります。
ステップ2:第1部(第1〜2章)でコンセプトを掴む
いきなりインストールしなくて大丈夫。
最初の2章は概念の話です。
「そもそもAIエージェントって何?」。
「Hermes Agentの設計思想は?」。
ここで「ハーネス」という概念が出てきます。
「AIを制御する枠組み」のことです。
馬の手綱みたいなものです。
AIが暴走しないようにコントロールする仕組み。
この考え方が分かると後の章がスムーズに読めます。
ステップ3:第2部(第3〜6章)で仕組みを知る
自己学習ループ、3層メモリ、スキル。
80以上のツール群。
Hermes Agentの核心がここにあります。
全部読む必要はありません。
ザッと目を通すだけでOK。
Claudeに「この章のポイントを3つにまとめて」と聞くのがおすすめです。
ステップ4:第3部(第7〜11章)でインストール
ここがハンズオンパートです。
インストールはターミナルで1行。
ただし。
スクリプトを直接実行する前に。
必ずClaude Codeにコードを見せてください。
「この中身を確認して。安全かチェックして」と頼みます。
オープンソースは誰でもコードを変更できます。
最終更新日を確認してください。
Issue(リポジトリで報告されているバグ・要望)も確認します。
それからインストールしてください。
期待結果: インストール後は source ~/.bashrc を実行して、hermes と打てば起動します。
第8章で最初の会話を試します。
第9章で好きなプラットフォームに接続。
詰まりどころ: DiscordでもSlackでもOKですが、各サービスでBotトークンの取得が必要です。
Orange Book第9章に手順があります。
Claude Codeに「Discord Bot トークンの取り方を日本語で教えて」と聞くのが早いです。
ステップ5:第4部(第12〜15章)で実践
4つのシナリオが用意されています。
ナレッジアシスタント、開発自動化。
コンテンツ制作、マルチエージェント。
用途に近い章だけ読めば十分です。
SNS運用なら第14章から。
業務効率化なら第13章から。
ステップ6:第5部(第16〜17章)で全体像を掴む
最後の2章は読み物です。
他のAIエージェントとの比較。
「AIエージェントの限界はどこか」。
「何でもやらせていいのか」という問いに向き合っています。
ここは純粋に面白い。
Hermes Agentについてよくある疑問は?
Q. プログラミングできなくても使える?
インストールと初期設定にはターミナルを使います。
でもClaude Codeに頼めば大丈夫。
「セットアップを手伝って」でコマンドを教えてくれます。
Orange Bookには「午後1つでデプロイ可能」と書かれています。
半日あればいけます。
設定が終われば、あとは日本語で話しかけるだけ。
Q. ChatGPTのGPTsとは何が違う?
GPTsは「カスタマイズしたChatGPT」。
Hermes Agentは「私のサーバーで動く独立AI」。
最大の違いは自由度です。
GPTsはOpenAIのルール内でしか動けない。
Hermes AgentはサーバーをこちらでコントロールできるのでDiscordやWhatsAppに直接住まわせられます。
ただし管理の手間はかかります。
Q. Orange Bookは公式ドキュメント?
いいえ。
コミュニティの有志が書いた非公式ガイドです。
Nous Research公式ではありません。
Orange BookのGitHubリポジトリは約3,000スターを獲得しており、Hermes Agent本体(公式リポジトリ)は約11.8万スターと別物です。
Orange Bookの内容はv0.7.0時点ベースで書かれているため、最新版(後述)とは一部手順が異なる可能性があります。
Q. 無料で使い続けられる?
Hermes Agent本体は完全無料(MITライセンス)。
Orange Book自体はCC BY-NC-SA 4.0ライセンス(非商用シェア+同条件継承)です。
コストはサーバー代だけで、月$5(約700円)から動きます。
AIモデルは私で選べるので、無料のオープンソースモデルなら0円です。
Hermes Agentの注意点と限界は?
私で立てて維持する。動かなくなったら私で対処
英語・中国語のみ。AIに読み込ませれば解説可能
Orange Bookはv0.7.0ベース。本体は急速にバージョンが進んでいる
インストール前にコードを確認。定期的なアップデートが必須
サーバー管理が必要。
ChatGPTとは違います。
サーバーをこちらで立てて維持する。
動かなくなったら私で対処です。
Claude Codeに聞けば助けてはくれます。
でも「全部お任せ」派には向きません。
Orange Bookは日本語版がない。
英語版と中国語版のみです。
ただしAIに読み込ませれば解説してもらえます。
致命的ではないです。
バージョン進行が速い。
Orange BookはHermes Agent v0.7.0ベースで書かれています。
本体側は更新ペースが速く、章ごとの一部手順が合わない可能性があります。
公式GitHub(https://github.com/NousResearch/hermes-agent)のリリースノートで最新版を確認してから始めてください。
セキュリティは自己責任。
サーバー側で動かす以上、セキュリティも私の責任。
インストール前にClaude Codeでチェック。
定期的にアップデート。
この2つは必ずやってください。
まとめ
Hermes Agentは「私専用のAIチーム」を無料で作れるツールです。
使うほど賢くなり、決まった時間に勝手に動いてくれる。
しかもそれが月700円のサーバー代だけで手に入る。
まずOrange Bookの最初の2章だけ読んでみてください。
英語が不安ならClaude Codeに渡す。
「日本語で教えて」でOKです。
AIエージェントの世界、入り口に立つだけで景色が変わります。
このページに出てきた言葉
- AIエージェント
- 会話するだけのAIではなく、タスクを実行・自動化するAI。チャットAIが「答える人」ならエージェントは「動く人」
- Hermes Agent
- Nous Researchが公開しているオープンソースのAIエージェント本体。MITライセンスで無料
- Orange Book
- Hermes Agentの非公式コミュニティガイド。全17章・5部構成のPDF。GitHubで無料公開
- OSS(オープンソースソフトウェア)
- ソースコードが公開され、誰でも利用・改変できるソフトウェア
- MITライセンス
- 商用利用も改変も再配布も自由に許可するシンプルなOSSライセンス
- CC BY-NC-SA 4.0
- クリエイティブ・コモンズの一種。非商用に限り、表示と同条件継承の上で利用可能
- VPS
- 仮想レンタルサーバー。月$5前後で借りられる小型のクラウドサーバー
- WSL2
- WindowsでLinux環境を動かす公式の仕組み。Hermes Agentを動かす土台になる
- Termux
- Android端末でターミナル(Linux的な操作画面)を使えるアプリ
- cron
- 「毎朝8時に実行」のように決まった時間に処理を走らせる仕組み。Hermes Agentに内蔵
- FTS5
- SQLiteの全文検索エンジン。過去会話の高速検索に使われている
- 3層メモリ
- 今の会話/過去の会話/ユーザープロフィールの3つを別々に保存・参照する仕組み
- スキル
- うまくいった手順を自動保存して再利用する機能。使うほど賢くなる根っこ
参考リンク
※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。