Claude Codeで作業中の「ちょっとした質問」が、実はトークン(AIが文章を読み書きする時の単位)を大量に消費している。
これを止める「/btw」というコマンドがあって、使うとトークン消費が約60%減る。
もう1つの技として「デュアルセッション」がある。
Claude Codeを2つ同時に開いて、片方は調べ物・もう片方は作業、と分ける運用。
1日でできる作業量が増える。
この記事では、/btwの仕組み・使い方・デュアルセッションの組み合わせ方を、実際に使った感覚も交えてまとめます。
この記事はClaude Codeを毎日触っていて「制限が早く来る」と感じている人向け(ターミナルでclaudeコマンドを起動できれば読めます)。
私の使い方: 作業中に「さっきのコマンドなんだっけ」「この書き方合ってる?」系の確認は全部/btwで処理。
1日10回以上使ってる。
記事構成を考える時はデュアルセッションで、セッションAで調べ物→セッションBでクリーンな状態から構成を組む。
Claude Codeの「ちょっとした質問」がトークンを浪費するのはなぜ?
過去の全履歴を含むトークンが消費される
まず仕組みの話から。
Claude Codeはメッセージを送るたびに「今までの会話全部」を読み直しています。
1回目の質問は1回目の分だけ読む。
2回目は1回目+2回目を全部読む。
3回目は1+2+3を全部読む。
つまり会話が長くなるほど、1回あたりのコストが上がっていく。雪だるま式です。
ここで問題なのが「さっきのファイル名なんだっけ?」みたいな質問。
答えは5秒で出るのに、その質問と回答が会話履歴に残る。
次のメッセージから、ずっとその分も読み直される。
10回「ちょっとした質問」をすると、それだけで数千トークンが無駄に積み重なる。
この問題を解決するのが/btwです。
/btwはどういう仕組みで生まれたか?
ここがちょっと面白い話なんですけど。
ChatGPTやGeminiみたいなチャットAIって、会話は全部1本の流れですよね。
質問したら履歴に残る。
消せない。
それが当たり前。
でもClaude Codeは違う考え方で作られています。
Anthropic(Claudeを作っている会社)は「コンテキストウィンドウ(AIが一度に覚えていられる会話の長さ)こそが最も重要なリソース」と公式ドキュメントに明記しています。
だから「メインの会話」と「横道の質問」を分離する仕組みを作った。
それが/btwです。
/btwはただの便利コマンドではなくて、「AIの記憶容量を大事に使え」というClaude Codeの設計思想そのもの。
ChatGPTは「全部記憶する」がデフォルト。
Claude Codeは「必要なものだけ記憶する」がデフォルト。
この違いが/btwを生んだ背景です。
この設計思想が広まると、他のAIコーディングツールも同じような機能を入れてくるはず、と私は思っています。
「AIとの会話には、記憶に残すものと残さないものがある」という考え方は、今後のスタンダードになりそうです。
/btwコマンドで何ができる?
一言でいうと「会話の履歴に残らない質問」ができるコマンドです。
2026年3月、Claude Code v2.1.72で追加されました。
/btwのあとに質問を書くだけ。
Claudeが答えてくれて、その答えがポップアップ(画面に小窓として浮かぶ表示)で出る。
SpaceかEnterかEscで閉じると、跡形もなく消える。
会話の履歴には一切残らない。
だから次のメッセージで「読み直す」コストがゼロ。
| 比較項目 | /btwなし | /btwあり(3回使用) | 削減率 |
|---|---|---|---|
| 8回のやりとりのトークン消費 | 約27,000トークン | 約11,000トークン | 約60%カット |
長いセッションで頻繁に質問する人ほど、効果がでかくなります。
/btwはどんな場面で使える?
「あれ、なんだっけ?」系の確認
作業中に「さっきのコマンドなんだっけ」「あのファイルのパスどこだっけ」って聞きたくなる瞬間、結構ありますよね。
普通に聞くと会話に残って、あとの全メッセージのコストが上がる。
/btwで聞けば、確認だけして跡を残さない。
私は1日に10回以上これやってます。
方針の確認をちょっと聞きたい時
「この書き方であってる?」「この手順で合ってる?」みたいな。
本筋の作業ではないけど、ちょっと確認したい。
こういうのも/btw向き。
答えを聞いて「よし、合ってた」で消す。
長時間セッションの途中で
Claude Codeで2〜3時間作業していると、会話がどんどん長くなります。
その状態で「ちょっとした質問」を本筋に入れると、雪だるまがさらに大きくなる。
長いセッションほど、/btwの節約効果が大きいです。
デュアルセッションって何?(2つ同時に開くテクニック)
もう1つ紹介したいのが「デュアルセッション」です。
Claude Codeを2つ同時に開いて使う方法。
「2つ開いていいの?」と思うかもしれないですけど、Anthropic公式が推奨しているやり方です。
公式ドキュメントに「Writer/Reviewerパターン」という名前で載っています。
セッションAでコードを書く。
セッションBでそのコードをレビューする。
セッションBは「書いた本人」じゃないから、客観的にチェックできる。
会話の履歴もゼロからなので、コンテキストがクリーンな状態でレビューしてくれます。
私もこれ、記事の構成を考える時に使ったことがあります。
セッションAで調べ物→セッションBで「調べた結果をもとに構成を作って」と頼む。
調べ物のやりとりが大量に残ったセッションAより、クリーンなセッションBのほうが、構成の質が明らかに高かった。
別の使い方もあります。
セッションAでテストを書いて、セッションBでそのテストを通すコードを書く。
お互いが独立して動くから、「同じセッションで書いたコードだから甘く判定する」みたいなバイアスが消える。
/btwとデュアルセッションに必要なものは?
Claude Codeが動く環境があればOK。
追加のインストールや設定は何もいりません。
/btwもデュアルセッションも、今のClaude Codeにすでに入っています。
料金は普通のClaude Codeと同じ。
Pro(月20ドルのサブスクプラン)でもAPIキー(プログラムから呼ぶ時の認証鍵)を使った従量課金でも、そのまま使えます。
/btwとデュアルセッションはどうやって使う?
/btwの使い方
Claude Codeで作業中に、こう打つだけ。
/btw さっきのテストコマンドってなんだっけ?
答えがポップアップで出てきます。
SpaceかEnterかEscで閉じる。
以上。
これだけです。
注意点が1つだけ。
/btwはファイルを読んだり、コマンドを実行したりはできません。
今の会話の中身をもとに答えてくれるだけ。
だから「このファイルの中身を教えて」みたいな質問は、普通にメインの会話で聞いてください。
使い分けのコツは、「この質問の答えを、Claudeがこの先の作業で覚えておく必要があるか?」と考えること。
覚えておく必要がない → /btw。
覚えておいてほしい → メインの会話。
デュアルセッションの使い方
ターミナル(黒い画面でコマンドを打つツール)を2つ開きます。
それぞれで「claude」と打って起動するだけ。
同じフォルダで2つ開いてもOK。
ただし、同じファイルを2つのセッションで同時に編集すると衝突する可能性があります。
片方は「調べる専用」、もう片方は「作業する専用」みたいに分けるのがおすすめです。
Claude Codeに「ターミナルの開き方がわからない」と聞けば教えてくれるので、わからなくても大丈夫です。
ultrathinkはまだ使える?(廃止済み、代わりは/effort)
ついでに「ultrathink」という裏ワザも触れておきます。
これ、実は2026年1月に廃止されました。
ultrathinkは、Claudeに「もっと深く考えて」と指示する隠しキーワードでした。
「think」「think hard」「ultrathink」と段階的に思考の深さを上げられた。
でも今は、Extended Thinking(拡張思考。
Claudeが回答前に時間をかけて考えるモード)がデフォルトでオンになっています。
毎回のメッセージで自動的に深い思考が走るようになった。
だからultrathinkと打つ必要がなくなりました。
代わりに「/effort」というコマンドが使えます。
「/effort low」で軽い思考、「/effort high」で深い思考。
簡単な作業はlowにしてトークンを節約、難しい判断はhighにする。
lowとhighでトークン消費が最大10倍違うので、使い分けるだけでもかなりの節約になります。
よくある疑問
Q. /btwの答えってセッションを閉じたら消える?
はい、消えます。
というか、閉じる前から会話履歴には入っていません。
ポップアップを閉じた瞬間に消える。
何回も使いたい情報(よく使うコマンドとか)は、CLAUDE.md(プロジェクトの設定をClaude Codeに覚えさせるテキストファイル)に書いておくのがいいです。
CLAUDE.mdはClaude Codeが毎回読む設定ファイルなので、そこに書けば毎回聞く必要がなくなります。
Q. デュアルセッションって制限も2倍使われる?
はい、2つのセッションで別々にトークンが消費されます。
ただ、1つのセッションで全部やるより、2つに分けたほうがトータルで安くなることが多いです。
理由は、コンテキストがクリーンだから。
1つのセッションに調べ物と作業を全部詰め込むと、コンテキストが膨らんで効率が落ちる。
2つに分けて、それぞれ短く使うほうが、結果的にトークンが少なくて済みます。
Q. /compactや/clearとの使い分けは?
| コマンド | 何をするか | 使うタイミング |
|---|---|---|
| /btw | 質問を履歴に残さない | ちょっとした確認 |
| /compact | 今までの会話を要約して圧縮する | セッションの途中で重くなってきた時 |
| /clear | 全部リセットして最初からやり直す | タスクが変わった時 |
この3つを組み合わせると、1セッションの寿命がかなり伸びます。
Q. /btwとかデュアルセッションとか、非エンジニアでも使える?
使えます。
私もエンジニアではないですけど、毎日使ってます。
/btwは文字通り「/btw 質問内容」と打つだけ。
デュアルセッションも、ターミナルを2つ開くだけ。
やり方がわからなかったら、Claude Code自身に「ターミナルをもう1つ開く方法を教えて」と聞けばOKです。
/btwとデュアルセッションの注意点と限界は?
/btwで気をつけるのは、「ファイルを読む」「コマンドを実行する」ができないこと。
あくまで今の会話の中身から答えてくれるだけ。
新しいファイルの内容を聞きたい時は、メインの会話で聞いてください。
デュアルセッションの注意点は、同じファイルを2つのセッションで同時にいじらないこと。
片方が書き換えた内容を、もう片方が上書きしてしまう可能性があるので、「調べる」と「作業する」を分ける、「書く」と「レビューする」を分ける、と役割を決めて使うのがベストです。
あと、/effortのlowは便利だけど、使いすぎると肝心な部分で考えが浅くなることもあります。
「これは絶対に間違えたくない」という作業の時は、highのまま使ってください。
まとめ
/btwで「ちょっとした質問」をコストゼロに。
デュアルセッションで「調べる」と「作業する」を分離。
/effortで思考の深さを使い分ける。
まずは次にClaude Codeを開いた時、「/btw 今何のファイル開いてる?」と1回打ってみてください。
このページに出てきた言葉
- トークン
- AIが文章を読み書きする時の最小単位。日本語1文字で約2〜3トークン消費する。
- コンテキスト/コンテキストウィンドウ
- AIが一度に覚えていられる会話の長さ。これを超えると古い会話が忘れられる。
- ターミナル
- 黒い画面に文字でコマンドを打つツール。MacならTerminal、WindowsならPowerShellやWSLなど。
- セッション
- Claude Codeを起動してから終了するまでの1回分の会話のかたまり。
- CLAUDE.md
- プロジェクトの設定やルールをClaude Codeに覚えさせるテキストファイル。毎回自動で読まれる。
- ポップアップ
- 画面に小さい窓として浮かんで表示される見せ方。閉じると消える。
- API/APIキー
- プログラムから外部サービスを呼ぶ仕組み。APIキーはその時の認証鍵。
- Pro
- Claudeの月20ドルのサブスクプラン。Claude Codeも込み。
- Extended Thinking
- Claudeが回答前にじっくり考えるモード。今はデフォルトでオン。
参考リンク
- Claude Code 公式ドキュメント: https://docs.anthropic.com/en/docs/claude-code
- Anthropic公式 Claudeプラン一覧: https://www.anthropic.com/pricing
※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。