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OpenAI Codex Mac版「Computer Use」はMac業務を変えるか|非エンジニア視点でClaude・RPAと比較

この記事の結論(3行)

  • OpenAIが4月16日、Codex Mac版に「Computer Use」を搭載。APIが無いMacアプリも画面操作で動かせる設計になった
  • 料金はChatGPT Plus $20/月に含まれる。従来RPAの年220,000円〜(UiPath Pro)とは桁が違う
  • MacStoriesは「state of the art at the moment」と評価。週300万人のCodexユーザーに即日配布された

2026年4月16日、
OpenAIが Codex Mac版に Computer Use を載せてきた。
APIが無いMacアプリを画面操作で動かす機能で、
対応はmacOSのみ。
料金は ChatGPT Plus の $20/月サブスクに含まれる。

私がこの機能を最初に見て気になったのは、
Macで業務を回す非エンジニア層、
つまりVBAやRPAに一度挫折した副業・企画・マーケ・デザイン系の人こそ刺さる設計になっていること。
理由はシンプル。

従来のRPA導入コストが年20万〜数百万かかるところに、
$20/月で「ChatGPTを使うのと同じ感覚でMacアプリを自動操作」できる選択肢が降ってきた。
ここが正直やばい。

何が4月16日に起きたのか

OpenAI公式ブログ「Codex for almost everything」の発表で、
Codexアプリに3つの新機能が一気に入った。
Computer Use、
アプリ内ブラウザ(Atlas技術ベース)、
画像生成(gpt-image-1.5)の3点。
バージョンは26.415。

この中でも Computer Use が突出して注目されている。
これまで「コード書きの相棒」だったCodexが、
「Macの画面そのものを触るエージェント」に変わる転換点だから。

OpenAI公式ドキュメントは次のように書いている。

Computer Use lets Codex see, click, and type into your Mac apps, with its own cursor.

— Ari Weinstein(@AriX、
元Apple Shortcuts/Workflow開発者・現OpenAI)、
2026年4月16日

「Codex自身がカーソルを持ち、
見て・クリックして・タイピングする」。
文字通りMacを操る。

技術基盤は、
OpenAIが2025年秋に買収した Sky Applications Incorporated から来ている。
Sky創業者のAri Weinstein氏とConrad Kramer氏は、
Apple時代にShortcuts(旧Workflow)アプリを作った人たち。
Mac自動化の本家本元がOpenAIの中にいる、
という構図。

Computer Use とは何か(公式情報ベース)

developers.openai.com/codex/app/computer-use の公式ドキュメントを整理する。

項目内容
対応OSmacOS(Apple Silicon / Intel)。Windowsは「soon」
操作内容スクリーンショット撮影、ウィンドウ・メニュー操作、キーボード入力、クリップボード連携
必須権限スクリーン記録権限+アクセシビリティ権限
技術基盤アクセシビリティツリー(AX Tree)とスクリーンショットのハイブリッド
使用モデルGPT-5.4
除外地域EEA(欧州経済領域)・英国・スイスは初期非対応(EU AI Act等の規制対応が理由)
不可な操作ターミナルアプリとCodex自体の自動化、管理者認証の自動実行

注目したい仕様が2つある。

1つ目はAX Tree(アクセシビリティツリー)を使っている点。
スクリーンショットから座標を推測する旧来方式と違い、
macOSが各アプリに持たせているアクセシビリティ情報を直接読む。
つまりCodexは「画面のこの座標」ではなく「『送信ボタン』という名前のUI要素」として対象を掴める。
だからアプリがアップデートでボタン位置を動かしても壊れにくい。
MacStoriesも「この方式がクリック精度を段違いに底上げしている」と書いている。

2つ目はベンチマーク。
OSWorld-Verified で 75.0%、
Online-Mind2Web で 92.8%。
比較として Claude Computer Use は 2026年4月時点で Sonnet 4.6 が OSWorld 72.5% に到達している(出典: nexaflow)。
ベンチ単体の差は2.5ポイント。
拮抗に近い。

ベンチが拮抗してもなお Codex Mac が非エンジニアのMac業務に刺さる理由は別軸にある。
そちらを次で見ていく。

なぜ非エンジニアが今これに注目すべきか

私の見方では、注目理由は3つに絞れる。ベンチスコアではなく、業務実装の軸。

理由1: 「APIが無いMacアプリも動かせる」の意味

従来のRPAは「自動化したいアプリがAPIを公開していないと詰む」ケースが多かった。
あるいはUI座標を固定で指定する方式で、
アプリがアップデートするたび壊れる。

Codex Macが採用したAX Tree方式は、
そこを構造から外した。
アプリがmacOSの標準アクセシビリティに対応していれば(大半のMacアプリが対応している)、
Codexが「ボタンA」「テキストフィールドB」として中身を把握できる。

MacStoriesの Federico Viticci は、
Slack・Ivory・Unread の3アプリを同時スクロール・クリックさせ、
数十個のショートカットを自動インストールしてテストまで走らせ、
あるタスクでは6時間継続実行した記録を残している(出典: MacStories)。

OpenAI's new Codex app has the best 'computer use' feature I've ever tested. State of the art at the moment.

— Federico Viticci, MacStories

「テストした中で最良、
現時点のstate of the art」。
Mac界隈の重鎮からこの評価はかなり重い。

理由2: $20/月というコスト破壊

ここが非エンジニア読者に刺さるポイント。RPAの相場と並べてみる。

ツール料金初期費用備考
UiPath Pro年220,000円/人〜0円出典: UiPath公式
一般的なRPA(中小向け)月10万〜10〜50万円出典: DX-Pro
大規模RPA数百万円〜数百万円〜SIer込み
Codex Mac(Computer Use)$20/月(Plus)0円ChatGPT Plusに内包

ChatGPT Plus はすでに払っている人が多い。
追加費用ゼロ。
稟議書に書くなら「既存契約内で完結」と一行で済む。
これは強い。

理由3: 並行タスク(マルチエージェント)

9to5Mac が書いている通り、
Codex Mac の Computer Use は「Multiple agents can work in parallel, without interfering with your own work」(出典: 9to5Mac)。

OpenAIの Alexander Embiricos(@embirico)も次のように書いている。

Codex can see/click/type in apps in the background, without taking over your computer, and you can work in parallel.

— Alexander Embiricos, OpenAI(X投稿

バックグラウンドで動く。
こちらは別の作業を続けられる。
ここが従来RPA(画面を独占する)との最大の差分です。

VentureBeatは「フロントエンドの確認作業をCodexに任せながら、
人間はJIRAチケットの選別をする」という具体例を紹介している(出典: VentureBeat)。

これ、Mac業務の発想が変わる話。

Claude Computer Use / 従来RPA との棲み分け

非エンジニアがMacで日常業務を回す視点で整理するとこうなる。

Codex MacClaude Computer Use従来RPA(UiPath等)
対応OSmacOS(Windows近日)macOS / Windows主にWindows
必要サブスクChatGPT Plus $20/月〜Claude Pro/Max(research preview)年20万円〜
並行タスクバックグラウンド並行可画面占有寄り画面占有
プラグイン90+(Atlassian/Microsoft等、即利用可能)MCPで拡張(無制限、ただし要設定)独自コネクタ
OSWorldスコア75.0%(GPT-5.4)72.5%(Sonnet 4.6)
非エンジニア適性○(Mac業務自動化)△(設定が技術寄り)×(教育コスト高)

ベンチは拮抗。
差は別軸にある。
Codex側は「Mac常用・ChatGPT Plus内包・90+プラグインが即利用可能」という業務実装の手触りで優位に立っている。
Claude Computer Use は拡張の自由度が高い反面、
MCPサーバの設定が技術寄り。
UiPath系は費用対効果で業務職には重い。

個人的には、
Mac常用の業務職が「最初の1本」を選ぶなら Codex Mac が素直に強い選択です。
Claude側は柔軟性を取れる中上級者向け、
と整理できる。

ちなみに Codex Mac 版は90以上のプラグインに対応している。
公式が名指ししている代表例を並べる。

  • Atlassian Rovo(Jira / Confluence)
  • CircleCI(CI/CDパイプライン)
  • CodeRabbit(コードレビュー)
  • GitLab Issues(リポジトリ管理)
  • Microsoft Suite(Word / Excel / Outlook / Teams)
  • Neon by Databricks(Postgres-as-a-service)
  • Remotion(プログラマティック動画生成)
  • Render(マネージドデプロイ)
  • Superpowers(ワークフロー自動化)

Microsoft Suiteが正式プラグインに入っているのが大きい。
Word/Excel/Outlookが日常の非エンジニアが、
このプラグイン経由でCodexに作業依頼を投げられる構造。
これ、
効く人には効く。

週300万人・前月比50%増の勢い

Codex全体の利用者数も動いている。
Sam Altman が4月8日に X で発表した数字がこれ。

To celebrate 3 million weekly codex users, we are resetting usage limits. We will do this every million users up to 10 million.

— Sam Altman(出典: BusinessToday

週間アクティブユーザー300万人。
Codexヘッドの Thibault Sottiaux は「約1ヶ月前は200万だった」と発言している。
月次で50%増。
複数メディアでは3ヶ月で5倍という数字も出ているが、
公式原文で確認できるのは「2→3百万で50%増」までです。

この勢いの中に Computer Use が4月16日に投入された。
即日、
週300万人に配布されたことになる。
スケール感が違う。

料金・対応プラン

プラン月額Codex Mac利用制限
Free$0機能制限あり
Go$8Plusより制限多
Plus$205時間ウィンドウで20〜350件
Pro$100Plusの5倍。期間限定10倍
Business / Enterprise / Edu個別クレジット消費でスケール

アプリ自体のダウンロードは無料。
追加のAPIキーも不要。
ChatGPTアカウントでサインインするだけ。

macOSはApple SiliconとIntelの両対応。
ただしEEA(欧州経済領域)・英国・スイスでは、
Computer Use 機能だけが初期段階で無効化されている。
理由は EU AI Act 等の規制対応で、
公式ドキュメントには「soon」の一言だけ。
該当地域のMacユーザーは、
Codexアプリ本体は使えても Computer Use の解放を待つ形になる。

注意しておくべき点

歯切れよく書くが、弱点と限界もはっきりしている。

1つ目は精度100%ではないこと。
アイコンが特殊な位置にある場合、
クリックミスが発生すると複数ソースが指摘している。
6時間連続稼働の裏側で人間の監督は外せない。

2つ目はセキュリティの境界線。
Help Net Security が「Codex can now operate between apps. Where are the boundaries?」という記事で問題提起している(出典: Help Net Security)。
アプリ間を横断できる強力さの裏で、
機密情報の取り扱いには慎重さが要る。
公式も「機密情報を含むタスクには不適切」と明記している。

3つ目は4月10日のセキュリティ対応の履歴。
Axios JavaScriptライブラリへのサプライチェーン攻撃の影響で、
OpenAIがMac版アプリの証明書をローテーションした事案があった。
ユーザーデータ流出は確認されていないが、
macOSアプリは常に最新版に保つ運用が必要(出典: 9to5Mac)。

4つ目は MacRumors のコメント欄に並ぶ冷静な声。
「sounds like the worst idea ever」「I will pass on having AI 'operate my computer', but thanks for the offer」といった懐疑派も一定数いる(出典: MacRumors)。
AIが手元のMacを操作することへの拒否感は、
実装品質とは別軸で存在する。
無視すべきではない。

Macで業務を回す層への私の結論

Macで業務を回す非エンジニア視点で見ると、
Codex Mac版の Computer Use は「一度はプラグインを入れて権限設定までやる価値がある」段階に入った、
と私は見ている。

理由をもう一度まとめる。

  • APIが無いMacアプリを画面操作で扱える構造。AX Tree採用で精度の基礎が違う
  • ChatGPT Plus $20/月に内包。従来RPAとの費用差が桁違い
  • バックグラウンド並行タスク。こちらの作業を止めない
  • MacStoriesが「state of the art」と評価。週300万人規模に即日配布

弱点はあるが、
弱点を理由に無視するには勢いが強すぎる。
ChatGPT Plus 契約者で Macユーザーなら、
まずMicrosoft Suiteプラグインあたりから入れて権限を通してみる、
が入り口として筋が良さそうです。

FAQ

Q. Computer Use はWindowsで使えますか?

A. 2026年4月時点ではmacOSのみ。
OpenAIの Alexander Embiricos が X で「Windows soon」と明言していますが、
時期は未確定。
Macアプリ本体は2026年3月4日からWindows対応済みですが、
Computer Use機能だけは後発です。

Q. 追加料金はかかりますか?

A. ChatGPT Plus($20/月)・Pro($100/月)・Business・Enterprise・Edu のサブスクに含まれる形。
追加のAPIキーも不要。
Free / Go プランは機能制限あり。

Q. Claude Computer Use とはどう違いますか?

A. 対応OS・並行タスク・OSWorldスコア・プラグインの4軸で差が出る。
対応OSは Codex Macがmac先行、
ClaudeはMac/Win両対応。
並行タスクはCodexがバックグラウンド並行、
Claudeは画面占有寄り。
OSWorldスコアは Codex 75.0%(GPT-5.4)に対し Claude 72.5%(Sonnet 4.6)で拮抗。
プラグインは Codex が90+即利用可能、
Claude は MCPで無制限拡張だが設定が技術寄りとなる。
非エンジニアがMac業務を自動化する視点だと Codex Mac が素直な選択肢、
というのが私の判断。

Q. EU/UKでは使えますか?

A. 初期リリースではEEA(欧州経済領域)・英国・スイスで Computer Use は非対応。
公式ドキュメントには「soon」と記載されていますが、
EU AI Act 等の規制対応が理由です。

Q. セキュリティ面は大丈夫ですか?

A. 公式は「機密情報を含むタスクには不適切」と明記しています。
ターミナルアプリと Codex 自体の自動化、
管理者認証の自動実行も不可。
2026年4月10日にはAxios起因のサプライチェーン攻撃でMac版アプリ証明書のローテーションが行われた履歴もあり、
macOSアプリは常に最新版に更新しておく運用が必要です。

Q. 非エンジニアでも設定できますか?

A. インストール自体はChatGPTアカウントでサインインするだけ。
ただしスクリーン記録権限とアクセシビリティ権限の付与が必要です。
note記事(hitotsu_ai氏)は「非エンジニアには環境構築や開発用語の理解など、
初期段階の学習コストがやや高い」と指摘しており、
プラグインの追加設定やツール連携部分で詰まる可能性はあります。

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※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。

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