AI活用全般

AIで作ったLPが売れない人向け|Claudeに5人の客を演じさせて離脱箇所を炙り出す診断プロンプト

AIでLPやセールスメールは作れる時代になりました。

でも「直しても直しても売れない」が消えないのは、書いた本人の目だけで見直しているからです。

Ole Lehmann が広めた「5人の客」プロンプトは、利害の対立する5種類の見込み客をClaudeに同時に演じさせて、既存のページが「どこで読者を取りこぼしているか」を客の頭の中から炙り出す逆向きの使い方です。

ChatGPTやClaudeで「LPを作る」記事は山ほどあります。

でも「作った後の診断」を5人格でやる話は、日本語圏ではほぼ空白でした。

私はそこが面白いと思っています。

この記事はAIで作ったLP・メール・広告があるのに売れず、何を直せばいいか分からない個人事業主・副業セールス担当向け(コピーの専門知識ゼロ、claude.ai無料/Proが触れれば読めます)。

そもそも「5人の客」プロンプトって何のこと?

ざっくり言うと、1枚のセールス文章を5人の違うタイプの客に読ませて、それぞれの本音を独り言で語らせる仕掛けです。

普通の添削プロンプトは「マーケター視点で直して」みたいに1人の目で見ます。

これだと当たり障りのない正解が返ってきがちで、正直あまり刺さりません。

このプロンプトは違う方向を狙っています。

買う気満々の客と、過去に騙された経験のある疑り深い客を、同じページの上で同時に走らせる。

すると両者の言い分がぶつかって、Claudeが「無難にまとめる」ことができなくなります。

ここがミソ。

発信元は Ole Lehmann。

"The AI Solopreneur" というニュースレターを運営している個人事業主向けの発信者で、本人は読者数を公表しています。

表記には幅があり、本人サイトでは「38,000人ほど」、紹介文によっては「45,000人超」とも書かれています(aisolo.beehiiv.com)。

掲載時期で増えていく数字なので、目安として見ておけば十分です。

この人が普通のプロンプト紹介者と違うのは、複数人格のスキルを実際に作って公開している点です。

本人のGitHubには autoresearch-skill(957スター)や expert-summoner-skill(専門家を呼び出して1つの評決に統合するスキル)などが並んでいます(github.com/olelehmann1337)。

口だけでなく実装を出している人、という裏付けです。

「Claudeは世界最高のイエスマンだ。

だから私は5人のエージェントがアイデアを5つの異なる角度から攻撃する board of advisors スキルを作った」

― Ole Lehmann(The AI Solopreneur ニュースレター運営者。

出典: aisolo.beehiiv.com

この「5人で殴る」発想を、見込み客に置き換えたのが今回のプロンプトという位置づけです。

本人はこれを「いちばん金につながったワークフロー」と紹介していると伝えられています。

私が気になったのは、その断言の強さよりも「作る側ではなく直す側に5人格を使う」という矢印の向きでした。

なぜ私はこのプロンプトに注目しているのか

理由は3つあります。順に書きます。

1つ目。

日本語圏の「AI×LP」記事は、ほぼ全部が「作る」側です。

AIでペルソナを作る、AIでLPを書く、AIで広告文を生成する。

矢印が全部「生成」を向いている。

でも事業者の本当の悩みは作る前ではなく、作った後の「なんで売れないの?」です。

そこを埋める日本語記事が、2026年5月時点で見当たりませんでした。

空白地帯。

2つ目。

わざと利害が対立する5人を同時に走らせる設計です。

「即買いさん」は早く決めたい、「価格にうるさいさん」は元が取れるか計算している、「疑り深いさん」は誇張を全部疑う。

この3人を同じ文章の上に並べると、要求が真っ向からぶつかります。

Claudeが妥協できなくなって、本音に近い反応が出る。

1人で添削させても出てこない粗が、対立で浮く。

私はこの原理がいちばん筋がいいと思っています。

この「複数人格に別角度から殴らせる」発想は、本人の Board of Advisors スキルを見るとよく分かります。

あちらは見込み客ではなく、5人の助言役を立てる構成です。

伝えられている内訳がこちら。

助言役担当する角度
反論役(The Contrarian)致命的な弱点があると仮定して、欠陥や失敗の可能性を探す
第一原理役(First Principles Thinker)表面の問いを無視し「本当に解こうとしているのは何か」を問い直す
拡張役(The Expansionist)全員が見落としているアップサイド、より大きな機会を探す
部外者役(The Outsider)あなたや業界を一切知らない前提で、文脈の偏りなく答える
実行役(The Executor)理論を無視し「月曜の朝に何をするか」だけに集中する

角度をバラけさせて1つの問題を多面的に殴る、という思想がそのまま見込み客版に乗っているわけです。

なお Board of Advisors の中身は、AIの同調バイアスを論じた記事などの二次ソース経由で伝えられている内容で、元投稿そのものは公開状態によっては追えません(Jason Flynn Substack)。

同じ「5人の助言役×匿名ピアレビュー」型は、一般ユーザーが実装した派生スキルもGitHubに複数公開されています(council-review ほか)。

このパターンが横展開で再現されている証拠です。

3つ目。

発信元が弱点を先に開示している点です。

本人は「精度は80%くらい、外す時は外す」「実際の顧客インタビューの代わりにはならない」と伝えているとされます。

AIが学習データから組み立てた「典型的な客の頭の中」なので、業界固有や地域文化のニッチな反応は拾いきれない。

万能を煽らない姿勢は、個人的には信用できる材料です。

「AIに客を演じさせる」手法全体の信頼性については、研究の裏もあります。

合成ペルソナで消費者調査を回した実験では、57種の調査・9,300超の人間回答と比べて、人間の再テスト信頼性の約90%に届いたと報告されています(Locomotive Agency / PyMC Labs)。

ここは大事な注意ですが、これは「5人の客プロンプト」固有の数字ではありません。

AIペルソナという手法全体が、ある程度の精度で人間の反応に近づける、という方向の傍証として読むべき数字です。

ペルソナを軸にコンテンツを組み直した別の事例では、Webページ訪問数100%増・滞在時間900%増・マーケ起因の売上171%増という記録も残っています(Genesys Growth)。

客の頭を解像度高く想定することが効く、という方向自体は数字でも裏打ちされています。

5人の客は具体的にどんな人たちなのか

登場する5人格はこうなっています。

一次の英語原文ではなく、スキルの説明で伝えられている内容を日本語で整理したものです。

客のタイプ頭の中このページで見られる弱点
即買いさん(Eager Buyer)もう買う気。納得さえできれば即決する申し込みボタンが見つからない、話が長くて熱が冷める
疑り深いさん(Skeptic)過去に似たもので失敗した。誇張を全部疑う根拠のない断言、証拠ゼロの「No.1」表現
価格にうるさいさん(Price-Conscious)月額・年額・元が取れるかを最後まで計算している料金が分かりにくい、得する理由が示されていない
混乱しているさん(Confused)そもそも何のサービスか、その人に関係あるか分からない冒頭で「誰の何の話か」が伝わらない
比較検討中さん(Comparison Shopper)他社を別タブで開いて見比べている他社との違いが書かれていない

5人の英語名と頭の中の描写は、検索結果に出てくる説明の断片から拾ったものです。

たとえば疑い深い客は「過去に痛い目を見た、賢くて懐疑的な買い手」、価格重視の客は「最後までコストの計算をし続けている」と描かれていました(二次ソースの引用で、元の配布プロンプト全文は公開状態によって追えません)。

ここは原文どおりの定義ではなく、伝えられている要旨として受け取ってください。

このプロンプトの流れはシンプルです。

LP全文(もしくはメールや広告コピー)のテキストを貼り付けると、5人格がページを上から下までセクションごとに読みながら、「いま頭の中で何を考えているか」を独り言で語ります。

最後に3つの答えを出します。

  • 5人のうち、誰なら買うか
  • 誰がどこで離脱したか
  • 全員を買わせるには、どこをどう直すべきか(修正案つき)

ここで大事なのが3番目の扱いです。

「全員を買わせよう」とすると、説明を盛り込みすぎて、結局いちばん買う気だった即買いさんが「長い」と離脱する。

ここが落とし穴。

だから私は、出てきた修正案を全部飲むのは反対です。

優先する客タイプを1〜2人に絞って、残りの指摘は捨てる判断まで手元でやる。

これをやらないと、5人に気を遣った結果、誰にも刺さらないページになります。

5人の客プロンプトを手元のLPで回す手順

非エンジニアの事業者がそのまま使える形で、手順に落とします。

配布元はこれをClaudeのスキルとして配っていますが、チャット欄に直接貼っても動く設計です。

まずはスキル化せず、貼り付けから始めるのが早い。

STEP1. 診断したいテキストを丸ごとコピーする

既存のLPなら、ページを開いて本文を冒頭から最後までコピーします。

セールスメールや広告文でもOK。

途中で切らず、見出しからボタンの文言まで全部まとめてコピーするのがコツです。

※ここで引っかかりやすいのは、画像の中に文字が入っているケース。

画像内の文字はコピーできないので、その部分は手で打ち直して貼る必要があります。

STEP2. claude.ai を開いて、指示文と一緒に貼る

claude.ai にログインして、新しいチャットを開きます。

そこへ「これからセールス文章を貼ります。

次の5人の客を演じて、ページを上から順に読みながら、それぞれが頭の中で考えていることを独り言で書いてください」と指示し、5人格(即買い/疑り深い/価格にうるさい/混乱している/比較検討中)の定義を添えます。

※5人格の定義は、上の表の「頭の中」列をそのまま文章にして渡せば十分動きます。

STEP3. STEP1のテキストを続けて貼り、3つの答えを指定する

指示文の後ろに、コピーしたLP本文を貼り付けます。

最後に「①5人中誰なら買うか ②誰がどこで離脱したか ③全員を買わせるにはどこをどう直すか、修正案つきで」と出力形式を指定して送信します。

これで離脱箇所の仮説が数分で返ってきます。

※長いLPだと無料プランは途中で上限に当たることがあります。

次の章の料金判断を先に読んでおくと安全です。

毎回貼るのが面倒なら、Claudeの「スキル」として登録する手もあります。

設定 > Capabilities で Code execution and file creation を有効化し、Customize > Skills から登録すると、一度入れれば毎回呼び出せる状態になります(Claude公式ヘルプ)。

スキルは Free / Pro / Max すべてで使えます。

ただ最初の1回はチャット貼り付けで効果を確かめてからで十分だと私は思います。

無料プランで足りる? それともProが要る?

短いメールや広告文なら無料で回せます。

長いLPをフル診断するならProが安定。

私はこの線引きで考えています。

無料プランは$0で、一会話あたり実用上のテキスト上限が約40,000〜50,000字という報告があります(romptn)。

5時間ごとにリセットされる仕組みです。

短いコピーの診断なら、これで十分足ります。

ただLP全文を貼って、5人格それぞれにセクションごとの独り言を書かせると、出力がかなり長くなります。

途中で上限に当たって診断が尻切れになると、いちばん知りたい「最後のボタン周り」の評価が出ないまま終わる。

これが地味に痛い。

Proは月$20(年払いなら月$17相当)で、無料の5倍以上の容量を使えます(Claude公式ヘルプ)。

長文を一気に診断するならこちらが安心です。

項目無料プランProプラン
月額$0$20(年払い月$17相当)
一会話の実用上限約40,000〜50,000字の報告あり無料の5倍以上
向いている用途短いメール・広告文の診断長いLPのフル5人格診断
リセット5時間ごと5時間ごと・優先アクセス

個人的には、まず無料で短いコピーを1本診断してみて、「これは使える」と思ったらProに上げる順番を勧めます。

月$20は、売れないLPを放置するコストと比べたら安いほうです。

とはいえ月1回しか診断しないなら、無料を5時間ずつ分けて回すので十分。

そこは使う頻度で決めればいい。

他のやり方と何が違うのか

比較するとこのプロンプトの立ち位置がはっきりします。

やり方必要なもの分かること弱点
5人の客プロンプトLPのテキストとClaude誰がどこで離脱するかの仮説が数分で出る本物の客の代わりにはならない
1人で「添削して」同じくテキストとAI無難な改善点当たり障りなく粗が浮きにくい
ヒートマップ・ABテスト実際の訪問者の流入本物の離脱データ費用と時間がかかる、訪問者がいないと始まらない
AIでLPを作る系AIと素材たたき台が早くできる「作った後に売れない」は解決しない

ヒートマップやABテストは本物のデータが出る強さがあります。

ただ訪問者がいないと回らないし、結果が出るまで時間もかかる。

まだ売れていない事業者にとって、テキストを貼れば数分で離脱の仮説が出るプロンプトは、最初の一手として現実的です。

そもそもLPは、平均してそんなに売れません。

2026年の全業界の中央値で、申し込みに至る割合は6.6%という統計があります(Genesys Growth)。

100人来て7人弱。

残り93人がどこで離れたかを、安く早く当たりをつける道具として5人格は噛み合います。

企業向けには、電通が2026年4月に1億人規模のAIペルソナで自動デプスインタビューを回すツールを出しています(電通)。

方向は同じでも、あちらは大企業向けの大砲。

こちらは個人が無料で即撃てる小回り、という対比です。

両方知っておくと立ち位置が見えやすい。

どこに限界があるのか

万能ではないので、弱点も書いておきます。

ここを分かって使うかどうかで結果が変わります。

まず、AIが演じる5人格は「学習データから組み立てた典型的な客」です。

あなたの実際のお客さんそのものではありません。

業界固有の事情や、地域・文化に根ざしたニッチな反応は拾いきれない。

本人申告の精度「80%くらい」というのも、裏を返せば2割は外すという話です。

これは引用された発言で、一次の数字として確認できたものではない点も添えておきます。

BtoB領域でAIにペルソナを作らせる手法を分析した記事でも、「AIは既存データから典型像を構成するが、実際の購買行動との乖離が出やすい」と指摘されています(MarketingProfs)。

雑な5人格を渡せば、雑な診断しか返ってこない。

ここは入れる側の責任です。

そして最大の罠が、さっきも書いた「全員を買わせよう」問題。

5人全員の不満を潰そうとすると、説明過多で即買いさんが冷める。

私は、出た修正案のうち優先客タイプの指摘だけ採用して、残りは意識的に捨てる運用を勧めます。

これができないなら、診断だけして直さないほうがマシなくらい。

よくある質問

コピーライティングの知識がなくても使えますか?

使えます。

このプロンプトは難しい用語を覚えるものではなく、客の独り言を読んで「ここで離脱してるのか」と気づくための道具です。

専門知識は要りません。

むしろ知識がない人ほど、客の生の声から学べる部分が大きいと思います。

ChatGPTでも同じことはできますか?

仕組み自体はAIに5人格を演じさせるプロンプトなので、ChatGPTでも近いことはできます。

ただ発信元はClaudeのスキル機能として配っており、claude.aiなら一度登録すれば毎回呼び出せます。

長文LPを一気に読ませる安定性も含め、まずはClaudeで試すのがおすすめです。

診断結果を全部その通りに直せば売れますか?

そこは注意が必要です。

5人全員の不満を全部潰すと、説明が増えすぎて、いちばん買う気だった客が「長い」と離脱します。

優先する客タイプを1〜2人に絞り、その人の離脱箇所だけ直す。

残りの指摘は捨てる判断が要ります。

本物の顧客インタビューの代わりになりますか?

なりません。

AIが演じるのは学習データから作った「典型的な客」で、あなたの実際のお客さんそのものではありません。

精度は本人申告で8割程度とされ、2割は外します。

合成ペルソナが人間の反応に近づくという研究もありますが(Locomotive / PyMC Labs)、それでも最終的には本物の客の声で裏を取るのが安全です。

無料プランだけで完結しますか?

短いメールや広告文なら無料で足ります。

ただLP全文を5人格でフル診断すると出力が長くなり、無料プランは途中で上限に当たることがあります。

長いページを一気に診断したいならPro(月$20)が安定します。

このページに出てきた言葉

LP(ランディングページ)
広告やメールのリンクから着地する、申し込み・購入を狙った1枚もののWebページ
セールスコピー
商品を買ってもらうために書く文章。LP本文・メール・広告文の総称
プロンプト
AIへの指示文。「こう演じて、こう答えて」とお願いする文章
ペルソナ
架空の典型的な客像。悩みや買う基準を具体的に設定した代表選手のような人物
合成ペルソナ
AIに典型的な客を演じさせて作る架空の調査対象。本物の人間の代わりにAIが答える仕組み
離脱
読者が申し込み・購入をせず、途中で読むのをやめて去ること
CVR(コンバージョン率)
ページを見た人のうち、申し込みや購入に至った人の割合
スキル(Claude)
よく使う指示をClaudeに覚えさせ、毎回呼び出せるようにする設定
ヒートマップ
ページのどこがよく見られ、どこで離脱したかを色で可視化する分析ツール
ABテスト
2パターンのページを出し分け、どちらがよく売れるか比べる検証方法

参考リンク

この記事を書いた人

Aisola Lab運営者 aisola のアイコン

aisola

Aisola Lab 運営者

AIツールを使ったコンテンツ制作・リサーチ・WordPress運用を日常的にやっています。自分で動かせるものは実際に触って書き、触っていないものは公式ドキュメントと一次情報をもとに書き分けています。

※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。

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