AI活用全般

Grok SkillsにWord・Excel・PowerPoint・PDF作りを任せる|ChatGPT・Claudeの記憶機能と何が違うか

毎週やってるWord・Excel・PowerPoint・PDFの手作業を、Grokに「頼む→出てくる→確認だけ」に変える機能が出ました。

名前はGrok Skills。2026年5月18日にxAIが正式公開しました。

ポイントは、ChatGPTの記憶みたいに勝手に裏で効くのではなく、/スキル名と打って呼び出す「持ち運べる小さな仕事ロボ」だという点です。

この記事はGrokを業務で毎日触っていて、Office書類づくりに毎週時間を取られている人向け(AIへの課金経験があれば読めます)。

Grok Skillsは「記憶」じゃない。/で呼び出す小さな仕事ロボです

ここを最初に押さえないと、たぶん使いこなせません。

ChatGPTのMemoryは、毎回の会話を勝手に覚えて、次の会話の頭でそっと混ぜてくる作りです。

ユーザーが何もしなくても裏で効く。

それが売りでした。

Grok Skillsは動き方が逆です。

覚えさせた手順や好みを、ユーザー側から/スキル名と打って呼び出す。

呼んだときだけ効く。

これが構造の差です。

InfoQの解説記事は、この性格をこう書いています。

「Grok Skills acts more like a reusable workflow and capability layer than a fully deployable autonomous agent system」(出典: InfoQ, 2026/05/22

訳すと「完全に自走するエージェントというより、使い回せる作業の型・能力の層に近い」。

私はこの一文がGrok Skillsの本質を一番うまく言い当てていると感じました。

記憶じゃなくて、呼び出し型の道具箱です。

しかもスキル単位でオン・オフを切り替えられます。

今日はこのスキルだけ効かせる、という使い方ができる。

常時オンで全部混ざるMemoryとは、ここが決定的に違います。

ChatGPT Memory・Claude Skills・Grok Skillsは何が違うのか

記憶系・呼び出し系の機能はもう3社が出していて、正直どれがどう違うのか分かりにくい。

私も最初は同じものに見えました。

一番の違いは「どう起動するか」です。

勝手に効くのか、ファイルで管理するのか、ユーザーがコマンドを打つのか。

ここを軸に並べると一気に整理できます。

観点ChatGPT MemoryClaude SkillsGrok Skills
起動の仕方常時オン・自動(裏で勝手に効く)ファイル単位+/呼び出し or 自動発動/スキル名で呼び出す
オン・オフ切替記憶の編集・削除はできるファイルの有無で管理スキル単位でオン・オフ可
他人と共有個人アカウント内のみチーム共有可(Claude Teams)アカウント単位で共有可(ユーザー間)
ファイル生成(Office/PDF)別機能で対応スキル次第Word/Excel/PPT/PDFが最初から搭載
持ち運び(インポート)非対応SKILL.md形式のフォルダ.zip / .skill / .md で読み込み
性格のたとえ勝手に覚えてる秘書プロジェクト専属の専門家/で呼ぶ持ち運べる小エージェント

表で並べると差がはっきりします。

ChatGPT Memoryは「勝手に覚えていてくれる記憶」、Claude Skillsは「プロジェクト単位の専門家設定」、Grok Skillsは「チームで配れる持ち運べる小エージェント」。

同じ棚に置けない3つです。

個人的に効くなと思ったのは、Grokのインポート形式が.zip / .skill / .mdという点です。

testingcatalogは、この作法がClaudeのスキル形式と「notably similar(かなり似ている)」だと指摘しています(出典: testingcatalog)。

これ地味にデカいです。

スキルがファイルで持ち運べる=メールでもチャットでも誰かに渡せる。

社内で「この経費精算スキル使って」と配れる世界が見えてきます。

GrokはWord・Excel・PowerPoint・PDFを最初から作れる

毎週のOfficeづくりこそGrok Skillsの一番分かりやすい使いどころです。

xAIは全アカウントに「組み込みスキル」を最初から積んでいます。

追加設定なしで、次の4種類の書類を作れる作りです。

  • Word文書(見出し・表・スタイルを保ったまま生成・編集)
  • PowerPointスライド(スピーカーノート付きで作成)
  • Excelシート(数式・データ分析・グラフ・条件付き書式まで)
  • PDF(作成・結合・分割・テキスト抽出)

ファイル生成を実際に動かした報告も出ています。

複数メディアがこのファイル生成の実演を伝えています。

「Grok 4.3 can now create documents: Microsoft Word (.docx) / PDF / PowerPoint (.pptx) / Excel (.xlsx)」(複数の開発者報告。

出典: basenor

動くベースモデルはGrok 4.3。

コンテキストウィンドウは1,000,000トークン(100万トークン)あるので、長い資料を丸ごと読ませて要約スライドにする、みたいな使い方にも耐えます。

これはなかなか強い。

ここで1つ混同しやすい点を潰しておきます。

Grok内でOfficeファイルを生成するこの機能と、Word・Excelアプリの中にGrokを差し込む「Officeプラグイン」は別物です。

プラグインのほうは2026年4月時点でまだ「coming soon(準備中)」段階でした(出典: basenor)。

今回の主役はあくまでGrok側でファイルを作るほうです。

個人用のスキルを作る手順(Grok公式の作り方)

組み込みスキルだけでなく、個人専用のスキルも作れます。

さっき表で触れた「Word/Excel/PPT/PDFを作れる」のは全員共通ですが、「うちの請求書フォーマットで作って」のような独自手順はここで仕込みます。

作り方は3パターンが公式に案内されています。

一番手早いのは専用コマンドを使うやり方です。

STEP1. Grokのチャット欄で /skill-creator と打って、スキル作成モードを呼び出す。

スキル作成専用のコマンドとして公開されています(出典: Threads実機投稿)。

STEP2. 覚えさせたい手順や好みを、ふだんの言葉でそのまま説明する。

たとえば「報告書はいつもこの順番・この文体で書いて」「Excelはこの列構成で出して」のように指示する。

テンプレートになるWordやPDFを一緒にアップロードしてもいい。

STEP3. 内容に名前を付けて保存する。

保存したスキルは /スキル名 の形で呼び出せるようになります。

公式ドキュメントは「ユーザーが呼べるスキルは自動で /<skill-name> 形式のスラッシュコマンドになる」と明記しています(出典: xAI公式docs)。

つまずきやすいのはSTEP2です。

指示がふわっとしてると、スキルもふわっとしたものになる。

最初に1回だけ丁寧に書き込むと、あとが楽になります。

ちなみに既存の会話を「これをスキルとして保存して」と言って固める方法、ファイルをアップロードして作る方法もあります。

会話の保存型は、いい感じに作業できた会話をそのまま再利用したいときに便利です。

もし他人が作ったスキルと名前がかぶったら、/local:スキル名のように頭に印を付けて呼び分けられます。

共有を前提にした作りになっているのが分かります。

スケジュール実行で「勝手に働く小エージェント」にする

Office生成は便利ですが、それなら他のAIでもできます。

Grok Skillsで個人的に面白いのは、スキルを定期的に自動で走らせる使い方です。

たとえば「AI業界の最新ニュースを毎朝まとめて」というスキルを1回作っておけば、Grokが毎日勝手にニュースブリーフィングを組み立ててくれる。

cryptobriefingはこれを「personalized newsroom that runs on autopilot(自動運転の個人専用ニュースルーム)」と表現しています。

「Grok automatically assembling a daily AI news briefing from a saved Skill」(出典: cryptobriefing

保存したスキルから、毎日のAIニュース速報をGrokが自動で組み立てる、という実演です。

相場の監視、競合のチェック、業界動向の定点観測。

このへんに化ける機能だと思います。

これを手元でやる手順は、保存済みスキルを土台にして組みます。

STEP1. まず監視したい内容をスキルとして保存する。

「X上のAI関連の話題と主要メディアの記事を集めて、3行ずつに要約して」のように、毎回やってほしい作業を1つのスキルに固める(作り方は前のセクションのSTEP1〜3と同じ)。

STEP2. そのスキルを定期実行に回す。

cryptobriefingやmetodoviralは「schedule it to run automatically(自動で走るよう予約する)」とスケジュール設定の存在を伝えています(出典: cryptobriefing)。

実行タイミング(毎朝など)を指定します。

STEP3. 出てきたブリーフィングを毎朝確認する。

必要ならそのままWordやPDFに書き出すスキルと組み合わせて、レポート化まで自動で流す。

1点だけ前提を添えておきます。

このスケジュール実行は、2026年3月の先行リーク段階ではまだオフの未公開機能でした。

5月18日の正式公開後の細かい挙動は、grok.comのリリースノートで確認するのが確実です(出典: grok.com)。

ここは断定しすぎないでおきます。

Grok Skillsはどのプラン・いくらで使えるのか

Grok SkillsはGrok 4.3対応のプランで使えます。

Skills単体への追加課金は、今のところ公式に確認できていません。

プランは無料から月300ドルまで5段階あります。料金を表で並べます。

プラン月額位置づけ
無料0ドル2時間で10プロンプトまで
X Premium8ドルXのソーシャル機能とセット、Grokアクセス付き
SuperGrok Lite10ドルGrok Imagineと1エージェント
SuperGrok30ドルGrok 4.3を本格的に使う標準ライン
X Premium+40ドルSuperGrok相当+Xバンドル
SuperGrok Heavy300ドルGrok 4.3フルアクセス・16エージェント並列

料金の出典はcostbenchです。

Office生成やスケジュール実行までガチで回すなら、私はSuperGrok(月30ドル)かX Premium+(月40ドル)あたりが現実的なラインだと思っています。

無料の「2時間10回」だと、書類1本作るのにすぐ枯れます。

ちなみにGrok 4.3のAPI料金は入力100万トークンあたり1.25ドル、出力2.50ドル。

前モデルより入力40%・出力60%安くなっています。

コスト面は素直に効いてきます。

結局、Grok Skillsはどんな人に向くのか

ここまで見て、向き不向きはわりとはっきり分かれると感じました。

向いているのは、毎週Office書類を量産する人です。

組み込みのWord/Excel/PPT/PDF生成と、手元の書式を覚えさせた独自スキルの組み合わせは、ここに一番刺さります。

チームで同じスキルを配れるので、フォーマットを社内でそろえたい現場にも合う。

逆に、月に数回しか使わない人には正直オーバースペックです。

無料プランの「2時間10回」では足りず、有料に上げる前提になる。

そこまで使わないなら、ChatGPTのMemoryのほうが手軽です。

注意点も書いておきます。

Trustpilotには「有料登録の初週に予告なく利用上限を下げられた」「使い切らなかったクレジットが毎月消える」という不満の声が複数あります(出典: Trustpilot)。

情報の正確さについても、aidetectplusは「事実が常に正しいとは限らない」と指摘しています(出典: aidetectplus)。

出てきた書類は鵜呑みにせず、数字や事実は念のため確認する。

これは外せません。

採用率で見ると、有料利用者はGrokが0.174%、ChatGPTが6%という調査もあります。

シェアはまだ小さい。

それでもInfoQが言うように「使い回せる作業の層」としての完成度は上がっていて、毎週のOffice作業に時間を吸われている人なら、月30ドルの元は取りやすい設計だと私は見ています。

歯切れよく言うなら、書類量産タイプには買い、ライトユーザーには不要。

よくある質問

Grok Skillsとは何ですか?

よく使う手順や好み、書類テンプレなどをGrokに覚えさせ、後から/スキル名で呼び出して使い回せる機能です。

2026年5月18日にxAIが正式公開し、Web版・iOS・Androidの3つで同じスキルが使えます。

ChatGPTのMemoryと何が違うのですか?

起動の仕方が逆です。

ChatGPT Memoryは何もしなくても裏で勝手に効きますが、Grok Skillsは/スキル名と打って呼び出したときだけ効きます。

スキル単位でオン・オフも切り替えられます。

作ったスキルを他の人に渡せますか?

渡せます。

InfoQは、Grok Skillsがアカウント単位で動き「support sharing between users for collaborative setups(共同作業のためにユーザー間で共有できる)」と明記しています(出典: InfoQ)。

スキルは.zip / .skill / .mdのファイルとして読み込めるので、チームで同じスキルを配れます。

WordやExcelのアプリに直接組み込まれるのですか?

それは別機能です。

Grok Skillsは「Grokの中で」Word/Excel/PPT/PDFを生成する機能で、Word・ExcelアプリにGrokを差し込む「Officeプラグイン」は2026年4月時点で準備中の別物です。

混同しないよう注意してください。

どのプランから使えますか?

Grok 4.3対応のプランで使えます。

無料プランは2時間で10回までなので、Office生成やスケジュール実行を本格的に回すなら、SuperGrok(月30ドル)かX Premium+(月40ドル)以上が現実的なラインです。

このページに出てきた言葉

Grok Skills
手順や好み、書類テンプレを覚えさせ、/スキル名で呼び出して使い回す機能
/スキル名(スラッシュコマンド)
チャット欄に「/」とスキル名を打って機能を呼び出す入力方法
Memory
ChatGPTが会話を勝手に覚えて次に反映する、裏で常時効く記憶機能
組み込みスキル
Grokに最初から入っているスキル。Word/Excel/PPT/PDF生成がこれ
Grok 4.3
Grok Skillsが動くAIモデルの世代。100万トークンを一度に扱える
コンテキストウィンドウ
AIが一度に読んで覚えていられる文章量。大きいほど長文を処理できる
.zip / .skill / .md
スキルを1ファイルにまとめた形式。メールやチャットで人に渡せる
/skill-creator
スキルを新しく作るための専用コマンド
スケジュール実行
決めた時間や間隔でスキルを自動で走らせる予約
トークン
AIが文章を処理する最小単位。日本語は1文字あたり1〜2トークンが目安

参考リンク

※この記事の内容は執筆時点のものです。AIは進化が速い分野のため、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。

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