Claude Code に長い作業を任せている間、ターミナルを別の作業に使いたくなった人向け
Claude Code に長めの作業(テスト直しや全ページの文章修正など)を任せている最中で、終わるのを待たずにターミナルを別の用事に使いたいとき、/bg を打って会話ごと裏に回す。戻りたくなったら claude agents で開いてその会話を選ぶ。
Claude Code に長めの作業を任せている間って、終わるまでターミナルが占領されて、ほかのことに使えなくなります。テストの直しを20分かけて回している横で、別のフォルダを開きたいだけなのに待たされる。これがけっこうストレスでした。
/background は、いま開いている会話を丸ごと裏に引っ越させて、この画面を空ける命令です。会話は消えません。裏で動き続けて、あとから claude agents で覗いたり戻ったりできます。別名は /bg。短く打てます。
噛み砕くと
会議室でホワイトボードに書きかけの議論を、そのまま隣の部屋にスライドさせる感じです。議論(会話)は止まらない。隣の部屋で勝手に進んでいて、この会議室(ターミナル)は次の打ち合わせに使える。覗きたくなったら隣の部屋のドアを開ければいい。
大事なのは「閉じる」ではなく「引っ越す」だという点です。公式の説明だと、バックグラウンドセッションは画面がつながっていなくても動き続ける、完全な Claude Code の会話だとされています。だから席を立っても勝手に進みます。
大事な前提:この機能はまだお試し段階で、版も新しめが要る
これは公式が「research preview(お試し公開)」と呼んでいる段階の機能です。画面の見た目やキー操作は今後変わる可能性があると明記されています。
動かすには Claude Code が v2.1.139 以降である必要があります。確認は claude --version で出ます。古いと使えません。
もうひとつ。裏に回した会話は自分のパソコンの中で動きます。クラウドに飛ぶわけではありません。だからパソコンを完全に落とすと止まります(スリープなら大丈夫です)。あと、管理者側で agent view 自体を切ってある環境(起動時にパソコンが覚えている設定値 CLAUDE_CODE_DISABLE_AGENT_VIEW や disableAgentView 設定でオフにしてある場合)では、そもそも使えません。
「料理ブログのテスト直しを裏に回す」で手順を見る
料理ブログを作っていて、Claude にテストの失敗を片っ端から直させているとします。あと15分はかかりそう。でもその間に別の調べ物をしたい。こういう時にちょうどいいです。
ステップ1: いまの会話で作業を走らせている
テストを直してもらっている最中だとします。Claude が黙々と動いている、この状態がスタートです。
> テストを全部回して、落ちてるところを直して
ステップ2: そのまま /bg と打つ
入力欄に /bg と打って実行します。これだけで、いまの会話が裏に引っ越して、この画面が空きます。返事の途中で打っても、その返事は裏のほうで続きます。途中で切れたりはしません。
> /bg
ステップ3: 引っ越しのときにひと言だけ追加できる
裏に回す前に、最後の指示をもう1個だけ足せます。/bg のうしろに続けて書くだけです。「ついでにこれもやっといて」を渡してから席を立つイメージ。
> /bg ついでに失敗したテストの一覧をメモに残しておいて
ステップ4: ここで初心者がよくつまずく
裏に回そうとした瞬間に Cannot open agents — N background task(s) running と出て止まることがあります。これは「いま走っている途中のものがあるから、勝手に放り出さないよ」という安全装置です。中身は次のステップで確認します。慌てて連打しないこと。
ステップ5: /tasks で何が走っているか見て、/bg で続行する
走っている途中のものがある時は、まず /tasks で何が動いているかを見ます。納得したら、もう一度 /bg を打つと「それを放り出していいか」の確認が出ます。OKすれば裏に回ります。
> /tasks
> /bg
ステップ6: 戻りたくなったら claude agents から開く
別の作業が終わって料理ブログのほうに戻りたくなったら、claude agents で一覧を開きます。さっきの会話の行を選んで Enter か → を押すと、もとの会話にそのまま戻れます。戻ると Claude が「留守の間にこれをやりました」という短いまとめを出してくれるので、何が進んだか一目で分かります。
$ claude agents
ちなみに、空の入力欄で ← を押すだけでも同じ引っ越しが起きます。どの会話からでも効きます。便利な反面、うっかり押して背景化することもあるので、そこは後述します。
つまり /background は何をしてくれるのか
- やってくれる: いまの会話を丸ごと裏に移して画面を空ける。会話は裏で動き続け、いつでも覗ける・戻れる
- やってくれない: 会話を終了・削除はしない。引っ越すだけで中身はそのまま残る
- 意味が薄い場面: 一瞬で終わる短い質問。すぐ返事が来るなら裏に回す手間のほうが大きい
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 料理ブログのテスト直しを待ちたくないとき
失敗しているテストが30個あって、全部直すのに20分かかる。これを /bg で裏に回して、自分は同じパソコンで献立の画像素材を探しに行く。20分後に claude agents で開けば、直し終わった結果のまとめが待っています。待ち時間が消えるのが地味に効きます。
シナリオ2: 家計簿アプリを並行で2本走らせたいとき
家計簿アプリのログイン画面を作る会話と、集計の計算を直す会話を、両方裏に回して同時に進められます。それぞれ別々に動くので、画面を切り替えながら2本まとめて面倒を見られます。ただし2本走れば使用量も2本分減るので、そこは頭に入れておきます。
シナリオ3: 寝る前に長い作業を仕込んでおきたいとき
夜に「全ページの文章を読みやすく直して」みたいな長丁場を仕込んで /bg、パソコンはスリープにして寝る。スリープでは止まりません。朝起きて開けば進んでいます。注意点は、完全にシャットダウンすると止まること。寝る前に電源を切らないのがコツです。
初心者が踏みやすい落とし穴
- 走っている途中のものは一緒に引っ越さない。引っ越しは保存済みの会話から新しく起こし直す方式なので、いま動いている下請けの作業や裏で走らせている別のコマンドは引き継がれません。走行中だと確認が出ます。
- 裏に回しても使用量は普通の会話と同じだけ減る。公式いわく10個並べれば約10倍の速さで使用量を食います。並べすぎ注意。
- ファイルの直しは別の作業用コピーに入る。裏のセッションは編集前に
.claude/worktrees/の下にワークツリー(本体とは別の作業用コピー)を作ってそこで書き換えます。「直したはずなのに手元のファイルが変わってない」はこれが原因。本体に取り込む前にそのセッションを消すと、変えた内容ごと消えるので先に取り込みを。 - パソコンを再起動すると失敗表示になる。でも諦めなくていい。その会話を開いて返信すれば、止まったところから再開します。スリープなら何も起きません。
←をうっかり押すと背景化が起きる。空の入力欄での←が引っ越しの引き金なので、誤爆しやすい。気になるなら/configのleftArrowOpensAgentsでオフにできます。- 戻ったあと、ただ抜けても会話は止まらない。
←や/exitやデタッチでは裏で動き続けます。完全に終わらせたい時は中に入って/stopを打ちます。 - 起動時につけた設定はそのまま引き継がれる。最初の起動でつないだ外部連携(MCP)や予備のモデル指定、許可の状態は裏のセッションでも生きています。新規でつなぎ直す必要はありません。
書き方
/background
/background <裏に回す前の最後のひと言>
/bg(別名)
やってみるとこうなる
入力
/bg ついでに失敗したテストの一覧をメモに残しておいて
出力例
いまの会話が裏のセッションに移り、ターミナルが空く。返事の途中で打っても、その返事は裏のセッションで続く。あとで claude agents を開くと、その会話が「Working」や「Completed」として一覧に並び、選んで Enter で戻れる。戻ると留守中の作業の短いまとめが表示される。
このページに出てきた言葉
- バックグラウンドセッション
- 画面につながっていない状態で裏で動き続ける、ひとつ分の会話のこと
- agent view
- <code>claude agents</code> で開く、裏で動いている会話を一覧で見る画面
- research preview
- 正式版になる前のお試し公開。仕様が予告なく変わることがある段階
- supervisor
- 裏のセッションを動かし続ける管理プログラム。最初に裏に回したとき自動で立ち上がり、画面を全部閉じても会話を動かし続ける
- ワークツリー
- 本体とは別に作る作業用コピー。裏のセッションはファイルを書き換える前に <code>.claude/worktrees/</code> の下にこれを作り、そこで編集する
- ターミナル
- 黒い画面で文字のコマンドを打ち込む画面。Windowsだと「コマンドプロンプト」、Macだと「ターミナル」アプリ