Claude Codeを使い込んだプロジェクトに新しい仲間を迎えるとき、自分のセットアップを丸ごと引き継がせたい人向け
30日ほど使い込んだプロジェクトに新しい仲間を迎える場面で、自分の使い方をゼロから口頭説明する代わりに、使い込んだそのプロジェクトで /team-onboarding を叩いて立ち上げガイドを自動生成し、仲間に渡したいときに使う。チームで一番詳しい人が代表で実行する。
同じプロジェクトを30日も触っていると、自分だけの使い方が手のひらに馴染んできます。よく叩くコマンド、つなげている外部ツール、毎回やる段取り。その積み重ねを、新しく入った仲間にゼロから口頭で説明するのは正直しんどいです。/team-onboarding は、その「私の使い方」をClaude Code自身に振り返らせて、仲間がそのまま使える立ち上げガイドを1本のテキストにまとめてくれるコマンドです。
仲間はそのガイドを最初のメッセージとして貼るだけ。defaultの真っさらな状態からではなく、あなたが30日かけて作った段取りの上から始められます。
噛み砕くと
新しい職場に入った初日を思い浮かべてください。何も知らずに席に座らされるより、先輩が「このプロジェクトはこういう流れで動かしてて、よく使う道具はこれとこれ」と書いた1枚のメモを渡してくれたほうが、立ち上がりは何倍も速い。/team-onboarding がやるのは、まさにそのメモの自動作成です。
違うのは、メモを書くのが先輩本人ではなくClaude Codeだという点。あなたが過去30日にやってきた操作の記録を読み込んで、「この人はこう使っている」を文章に起こしてくれます。手書きの引き継ぎ資料を毎回ゼロから作る手間が消えます。
つまり、勘と経験の塊を1本のテキストに変換する装置です。
大事な前提:このコマンドは「自分が使い込んだ場所」で叩く
公式は実行場所をはっきり指定しています。"Run it in a project you know well"、つまり自分がよく知っているプロジェクトで実行すること。理由は単純で、分析する材料が記録の中にしか無いからです。触りたての新規プロジェクトで叩いても、Claudeには読み解く履歴がほとんど無く、中身の薄いガイドしか出てきません。
分析されるのは公式が挙げる3つ、"your sessions, commands, and MCP server usage from the past 30 days"。直近30日分の、あなたのやりとり・打ったコマンド・つないだ外部ツールの利用状況です。30日より前の工夫や、別のプロジェクトでの操作はここに入りません。
「料理ブログに新メンバーが入る」場面で、実際の手順を見る
私が30日ほど運用してきた料理ブログのプロジェクト、フォルダ名 cooking-blog を例にします。ここに新しい仲間が1人加わるので、私の使い方を丸ごと引き継がせるところまでをたどります。
ステップ1: 履歴が溜まった cooking-blog でClaude Codeを起動する
まず、引き継ぎたい使い方が実際に積み上がっている場所で起動します。新規フォルダではなく、レシピ記事の下書きや画像生成の段取りを30日やってきた、この cooking-blog で起動するのが肝心です。
$ cd ~/projects/cooking-blog
$ claude
ステップ2: /team-onboarding を打つ
起動したら、メッセージの先頭でコマンドを打ちます。後ろに何も書き足さず、これ単体で叩きます。公式の実行例もこの形です。
> /team-onboarding
ステップ3: Claudeが30日分の履歴を分析してガイドを書く
ここでClaudeが、過去30日のやりとり・打ったコマンド・つないだ外部ツールの利用状況を読み込みます。そして仲間が読めば段取りを再現できる立ち上げガイドを、ONBOARDING.md という名前のテキストとして書き出します。中身は「このプロジェクトではこういう流れで作業している」「この道具をこう使っている」を文章化したものになります。
ステップ4: 対象プランなら共有リンクの発行に進む
ここで初心者がやりがちな勘違いを1つ。共有リンクは自動で必ず出るものではありません。claude.aiのPro / Max / Team / Enterpriseの契約者だけが対象です。対象なら、ガイドを書き終えたあとに ShareOnboardingGuide という機能が動き、ONBOARDING.md を外部にアップロードして、仲間がClaude Codeで直接開けるリンクを返します。
このアップロードには許可を求める画面が出ます。公式でも Permission required は Yes です。中身が外に出る操作なので、ここで一度立ち止まる作りになっています。
ステップ5: 渡す前に中身を一読する
許可を出す前に、生成された ONBOARDING.md を自分の目で読みます。社外に出してまずい作業内容が混ざっていないか、ここで確認します。料理ブログなら問題は少ないですが、習慣として一読を挟むのが安全です。
ステップ6: 新メンバーが受け取って立ち上がる
仲間側のやり方は2つ。共有リンクが発行されていればそれをClaude Codeで開く。リンクが無ければ、ガイドのテキストを自分のClaude Codeに最初のメッセージとして貼り付ける。どちらでも、真っさらな状態ではなく「あなたの使い方」の上から作業を始められます。
つまり /team-onboarding は何をしてくれるのか
- やってくれる: 自分の直近30日のやりとり・打ったコマンド・つないだ外部ツールの利用状況を分析し、仲間が貼るだけで立ち上がれる
ONBOARDING.mdを書く - やってくれない: チーム全員の記録の集計はしない。分析するのはあくまで実行した本人のローカルの記録だけ
- 意味が薄い場面: 起動したばかりの新規プロジェクトや、ほとんど触っていない場所。読み解く履歴が無く、中身の薄いガイドになる
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 料理ブログに編集スタッフを1人迎えるとき
私が30日かけて作ったレシピ記事の量産フロー、つまり下書き生成から画像のプロンプト作り、校正までの段取りを、新しい編集スタッフにそのまま渡したい。cooking-blogで /team-onboarding を叩けば、私のよく使うコマンドや道具を踏まえたガイドが出ます。口頭説明30分が、テキスト1本の受け渡しに変わります。
シナリオ2: 家計簿アプリの開発を後輩に引き継ぐとき
家計簿アプリを2人目に引き継ぐ場面。私が普段つないでいる外部ツールや、毎回やるテストの流れが後輩には見えません。使い込んだプロジェクトで叩けば、その段取りがガイドに反映されます。後輩は私のやり方を再現しながら、いきなり実作業に入れます。
シナリオ3: チームで一番詳しい人が代表で叩いて全員に配るとき
このコマンドは本人のローカルの記録しか見ません。だからチームで一番そのプロジェクトに詳しい人が代表で実行し、出たガイドを全員に配るのが正しい使い方です。claude.aiのPro / Max / Team / Enterpriseの契約者なら共有リンクが返るので、それを配れば全員が同じ立ち上げ地点に揃います。
初心者が踏みやすい落とし穴
- 触りたての場所で叩いても中身が薄い。公式が「よく知っているプロジェクトで」と明示している通り、読み解く材料は記録の中にしか無い。新規フォルダでは意味が薄い
- チーム全員の記録は集計されない。分析対象は "your local Claude Code usage"、つまり実行した本人の記録だけ。誰か1人が代表で回すもの
- 共有リンクは誰でも作れるわけではない。claude.aiのPro / Max / Team / Enterpriseの契約者限定。対象外でもガイド本体は出るので、リンクが返らなくても故障ではない
- 共有リンクはファイルを外に出す操作。ShareOnboardingGuide は
ONBOARDING.mdをアップロードするため許可画面が出る。社外秘が混ざっていないか中身を確認してから許可する - 分析は直近30日・3種類だけ。やりとり・打ったコマンド・つないだ外部ツールの利用状況の3つで、30日より前の工夫はガイドに入らない
- 許可設定でこの機能を制御するときは名前をそのまま書く。公式は「
ExitPlanModeやShareOnboardingGuideのような項目は、余計な指定を付けず名前だけで書く」としている - 使える条件はバージョンに依存する。公式の更新情報ではv2.1.101で導入されている。古いままだとコマンド自体が出てこないことがある
書き方
/team-onboarding
やってみるとこうなる
入力
> /team-onboarding
出力例
直近30日のやりとり・打ったコマンド・つないだ外部ツールの利用状況をClaudeが分析し、仲間が最初のメッセージとして貼るだけで立ち上がれる立ち上げガイドを ONBOARDING.md として書き出す。claude.aiのPro / Max / Team / Enterprise の契約者なら、続けて ShareOnboardingGuide が許可を取った上でファイルをアップロードし、仲間がClaude Codeで直接開ける共有リンクを返す。
このページに出てきた言葉
- オンボーディング
- 新しく入った人が戦力として立ち上がるまでの受け入れ・案内のこと
- ONBOARDING.md
- このコマンドが書き出す立ち上げガイドのファイル名。<code>.md</code> は見出しや箇条書きを記号で表す軽いテキスト形式(マークダウン)
- ShareOnboardingGuide
- ガイド完成後に <code>ONBOARDING.md</code> を外部へアップロードして共有リンクを発行する連動機能。許可を求める画面が出る
- MCP
- エムシーピー。Claude Codeに外部のツールやデータ元をつなぐための共通の接続規格
- セッション
- Claude Codeを起動してから終えるまでの1回のやりとりのまとまり