Claude Codeで自分のアプリを実際に起動して動作を確かめさせたい人向け
データベースが要る・先に設定ファイルを読ませる必要がある・組み立てが複数段ある、といった一手間かかるアプリで、/run や /verify が起動のしかたを読み違えるとき。対象アプリのフォルダの中で1回叩いて起動レシピを .claude/skills/run-<name>/ に記録させ、以降の起動を毎回スムーズにする。起動手順を作り変えたときだけもう一度叩く
Claude Codeには /run と /verify という、書いたコードを実際にアプリとして起動して「ちゃんと動くか目で見て確かめる」コマンドがあります。この2つは普通のアプリなら設定なしで動くんですが、データベースが要る・先に設定ファイルを読ませる必要がある、みたいな一手間かかるアプリだと起動のしかたを読み違えます。/run-skill-generator はそこを埋めるコマンドです。
具体的には、何もない状態からあなたのアプリを一度ちゃんと立ち上げてみて、うまくいった起動手順をレシピとして記録します。次からは /run も /verify も、毎回手探りせずにそのレシピをなぞって動かせるようになります。
噛み砕くと
新しく入った人が職場のコーヒーマシンを初めて使う場面を想像してください。最初は誰かに「この棚から豆を出して、ここに水を入れて、このボタンを2回」と教わります。一度教わってメモを冷蔵庫に貼っておけば、次からは全員そのメモ通りに淹れられます。
/run-skill-generator がやるのは、まさにこの「淹れ方メモを冷蔵庫に貼る」作業です。あなたのアプリを起動するのに必要だった手順を、Claudeが実際に手を動かして確かめながら書き留めて、プロジェクトの中に保存します。
1回貼れば、あとは使い回し。
しかもメモを読むのは /run と /verify だけじゃありません。同じプロジェクトで動く他のAIエージェントも、全部この同じメモを見て起動できるようになります。
大事な前提:これは「アプリを持っているプロジェクトの中」で叩く
/run-skill-generator はプロジェクト専用のレシピを作るコマンドなので、対象のアプリが入っているフォルダの中で叩きます。空フォルダや、まだアプリの形になっていない場所で叩いても記録するものがありません。
もう1つ、使うにはClaude Code v2.1.145以上が必要です。/run /verify /run-skill-generator の3つはセットで、全部このバージョン以上で動きます。古いままだと出てこないので、出てこなかったらまず更新を疑ってください。
「料理ブログ」を例に、実際の手順を見る
世界の家庭料理を紹介する料理ブログサイトを作っているとします。このサイトのアプリは、画面を表示する前に裏でレシピデータを読み込む小さな下準備が要る、ちょっとだけ手間のかかるタイプです。こういうアプリで /run-skill-generator を叩くと何が起きるかを順に見ます。
ステップ1: 料理ブログのフォルダの中でClaude Codeを起動する
まず対象のアプリがあるフォルダに移動して、その中でClaude Codeを立ち上げます。レシピはこのフォルダ専用に作られるので、必ず料理ブログ本体のフォルダの中にいることを確認します。
$ cd cooking-blog
$ claude
ステップ2: /run-skill-generator と打つ
コマンドの後ろには何も書き足しません。コマンドだけ打って実行します。
> /run-skill-generator
これは固定の処理をそのまま走らせる組み込みコマンドとは少し毛色が違って、「同梱スキル」という種類です。Claudeに細かい指示書が渡されて、Claude自身が画面を読んだりコマンドを打ったりしながら、起動手順を自分で探って進めていきます。
ステップ3: Claudeがまっさらな状態からアプリを起動してみる
Claudeは「何も準備されていない状態」を出発点に、料理ブログのアプリを一度ちゃんと立ち上げようとします。必要な部品を入れるコマンドを打ち、裏でレシピデータを読み込む下準備を済ませ、画面を出すところまで通します。ここで実際に動いた手順だけが、記録の対象になります。
ステップ4: うまくいった手順を書き留める
立ち上げに成功すると、Claudeは「何が効いたか」を拾い上げます。公式が挙げているのは、部品を入れるコマンド、設定値、起動用の短いスクリプトの3つです。料理ブログなら「レシピデータを先に読み込む下準備」みたいな、このアプリ特有の一手間がここに残ります。
ステップ5: レシピをプロジェクトの中に保存する
書き留めた手順は .claude/skills/run-<name>/ という決まった置き場所に、プロジェクト専用のスキルとして保存されます。<name> の部分はアプリの名前が入ります。ここはプロジェクトのファイル一式と一緒に共有される場所なので、チームの誰かが取り込めば、その人の手元でも同じレシピが効きます。
ステップ6: 以降は /run と /verify がレシピをなぞる
ここで /run と /verify の役割を1行ずつ。/run はアプリを起動して、変更が効いているか画面で見るコマンドです。/verify はアプリを組み立てて起動し、コードの変更が狙い通りか実際に動かして確かめるコマンドです。
一度記録したら、次からが本番です。/run も /verify も、毎回ゼロから探り直さず、保存済みのレシピをそのまま使います。
ここで初心者がやりがちな勘違いがあります。「じゃあ毎回 /run-skill-generator を叩くのか」と思いがちですが、違います。これは1プロジェクトにつき1回でいい。起動のしかたが変わったときだけ、もう一度叩いて記録を更新します。
つまり /run-skill-generator は何をしてくれるのか
- やってくれる: まっさらな状態からアプリを起動し、効いた手順を1プロジェクト1回ぶん記録して、共有できる場所に保存する
- やってくれない: 汎用のスキルづくりはしない。作るのはあくまで「このアプリの起動・確認」専用のレシピ。汎用スキルを一から作るなら
/skill-creatorという公式プラグインが別にある(要インストール) - 意味が薄い場面: データベースも設定ファイルも要らない素直なアプリ。そういうアプリなら
/run/verifyが設定なしで起動を言い当てるので、わざわざレシピを記録しなくていい
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 料理ブログにデータベースを足した直後
世界の家庭料理ブログに「投稿された自家製レシピを保存する」機能を足して、データベースが必須になったとします。この状態だと /run は起動のしかたを読み違えやすい。ここで一度 /run-skill-generator を叩いて、データベースのつなぎ方まで含めた起動レシピを記録しておけば、以降の /verify が毎回スムーズに動きます。
シナリオ2: 家計簿アプリを誰かから受け取った直後
友人が作った家計簿アプリのプロジェクトを丸ごと受け取って、自分の手元で動かしたいとします。中身の起動手順が独特で、設定ファイルを先に置かないと立ち上がらない作りでした。こういう「他人のアプリの初回起動」こそ /run-skill-generator の出番です。一度通して記録すれば、あとは /run 任せにできます。
シナリオ3: 料理ブログの起動手順を作り変えたとき
料理ブログの組み立て方を見直して、起動用のスクリプトを一新したとします。前に記録したレシピは古くなって、もう実際の手順と合いません。こういうときは /run-skill-generator をもう一度叩いて、新しい手順で記録を上書きします。叩くのは初回と「手順が変わったとき」の2回だけ、と覚えておくと迷いません。
初心者が踏みやすい落とし穴
- 毎回叩くものだと思い込む。これは1プロジェクト1回。起動手順が変わったときだけ再実行する、というリズムを外さないこと。
- 「
/runを使うのに必須の準備」だと勘違いする。違います。/run/verifyは設定なしでも動く。素直なアプリでは/run-skill-generatorは要りません。 - 汎用スキルを作るコマンドと混同する。作るのはアプリ起動専用のレシピだけ。汎用スキルを一から組むなら、Anthropic公式のプラグイン集に入っている
/skill-creatorを先にインストールして使います。同梱ではないので、入れていない状態で叩いても出てきません。 - アプリのないフォルダで叩く。記録する起動手順がそもそも無いので空振りします。対象アプリの入ったフォルダの中で叩くこと。
- バージョンが古いまま試す。Claude Code v2.1.145未満ではこの3コマンド自体が出てきません。出てこなかったら更新を先に。
- 恩恵を
/run/verifyだけだと思う。記録したレシピは、同じプロジェクトで動く他のエージェントも全部使えます。共有資産として残る、と捉えておくと価値が見えます。
書き方
/run-skill-generator
やってみるとこうなる
入力
/run-skill-generator
出力例
Claudeがまっさらな状態から料理ブログのアプリを一度起動し、効いた手順(部品を入れるコマンド・設定値・起動スクリプト)を拾い上げて、.claude/skills/run-cooking-blog/ にプロジェクト専用スキルとして保存する。以降は /run と /verify、同じプロジェクトの他のエージェントもこのレシピをなぞって起動できる
このページに出てきた言葉
- 同梱スキル
- Claude Codeに最初から入っている作業セット。決まった処理をそのまま流す組み込みコマンドと違い、Claudeが指示書を読んで自分で道具を使いながら進めるタイプ
- スキル
- Claudeにやらせたい手順や作業をまとめて覚えさせておく仕組み。<code>.claude/skills/</code> の下に保存される
- ビルド
- 書いたコードを、実際に動くアプリの形に組み立てる作業
- スクリプト
- 複数の操作を1つにまとめて自動で順に実行させる、小さな台本のようなファイル
- 設定値
- アプリが動くときに参照する設定の値。例えば「どこのデータベースにつなぐか」のような情報
- エージェント
- 指示を受けて自分で手順を考えながら作業を進めるAI。Claude Code本体も、その中で動く作業役もエージェント
関連項目
公式ドキュメント
https://code.claude.com/docs/en/skills#run-and-verify-your-app