Claude Codeで大きめの変更の計画を、手元の作業を止めずに練りたい人向け
料理ブログにレシピ検索を足す、家計簿アプリの保存先を入れ替えるといった、考える点が多い大きめの変更を始める初手で、計画づくりを雲側へ預けて手元を別作業に空けておきたい場面で叩く。叩く前に4つ前提が要る:まだ研究プレビュー段階、Claude Code v2.1.91 以上、Claude Code on the web のアカウントとGitHubに置いたプロジェクト一式(repo)、そしてAmazon Bedrock / Google Cloud Vertex AI / Microsoft Foundry 経由では使えない点。
大きめの変更を始める前に、まず段取りを練る場面ってありますよね。検索機能を1つ足すだけでも、どのファイルを触るか、データの持ち方をどうするか、考えることが意外と多い。/ultraplan は、その段取りづくりをまるごとAnthropicの雲側(Claudeのウェブ版)に渡して、手元の画面を空けたまま進めてもらうための呼び出し文です。
計画はClaudeが雲の上で書いて、できあがったらブラウザを開いて添削する。手元は別作業に使える。そういう分担ができます。
噛み砕くと
新しい家を建てる前に、設計士へ「間取りを考えといて」と頼んで帰ってくるイメージに近いです。あなたは家で別の用事を片付けている間に、設計士が図面を引いてくれる。図面ができたら呼ばれて、ブラウザという打ち合わせ机の上で「この部屋もう少し広く」と赤ペンを入れていく。
赤入れが終わったら、その図面どおりに雲側でそのまま建ててもらうか、図面だけ手元に持ち帰って自分の道具で建てるかを選べる。ここが /ultraplan の肝です。計画だけ預けて、実行先はあとから決める。
大事な前提:叩く前に4つそろってないと動かない
これは便利機能ですが、誰でもすぐ叩けるわけではありません。公式が前提条件を明記しています。先に確認しておかないと、呼び出しても先へ進めない。
- まだ研究プレビュー段階。動きや出来ることは今後の反応しだいで変わる可能性があります
- Claude Code v2.1.91 以上が必要です。古いままだと使えません
- Claude Code on the web のアカウントと、GitHubに置いたプロジェクト一式(repo)が要ります。手元だけで完結している作業には向きません
- Amazon Bedrock / Google Cloud Vertex AI / Microsoft Foundry 経由では使えません。Anthropicの雲基盤の上で動く仕組みだからです
初回に叩いたとき、雲側の作業場所(クラウド環境)がまだ無ければ、/ultraplan が自動で1つ作ってくれます。そこは身構えなくて大丈夫。
「料理ブログにレシピ検索を足す計画」を例に、実際の手順を見る
私が普段いじっている料理ブログに、レシピをキーワードで探せる検索機能を足したいとします。そこそこ大きい変更なので、いきなり書き始めず計画から入る。/ultraplan に頼んでみます。
ステップ1: 手元の画面で /ultraplan に頼む
手元のClaude Codeに、検索機能を足す計画を雲側で練ってほしいと頼みます。私の例だとこう打ちます。
/ultraplan 料理ブログにレシピをキーワードで検索できる機能を追加する計画を立てて
ちなみに公式が載せているお手本はこの形です。1文字変えずにそのまま引きます。
/ultraplan migrate the auth service from sessions to JWTs
/ultraplan のうしろに、やってほしいことを文章で続けるだけ。これが基本の呼び方です。
ステップ2: 呼び方は実は3通りある
叩き方は1つではありません。公式は起動方法を3つ挙げています。どれも結果は同じく雲側へ計画づくりが渡ります。
- コマンド:
/ultraplanのうしろに頼みごとの文を続ける - キーワード: ふつうの指示文の中のどこかに
ultraplanという単語を混ぜる - 手元の計画から渡す: Claudeが手元で計画を作り終えて承認ダイアログを出したとき、No, refine with Ultraplan on Claude Code on the web を選ぶと、その下書きを雲側へ送ってさらに練り直せる
ここで初心者がやりがちな勘違いを1つ。コマンドとキーワードの2通りは、走り出す前に確認ダイアログ(本当に始めていいか聞く画面)が出ます。手元の計画から渡すやり方だけは、その選択自体が確認を兼ねるのでダイアログが出ません。
ステップ3: 手元を空けたまま、雲側が計画を書く
呼び出すと、手元の入力欄に状態を示す印が出ます。私はこの間、別のファイルの誤字直しをやっていました。手元が空くのがこの機能の気持ちいいところです。印は3種類あります。
◇ ultraplan: Claudeがあなたのプロジェクトの中身を調べて計画を書いている最中◇ ultraplan needs your input: Claudeから確認したい質問がある。セッションのリンクを開いて答える◆ ultraplan ready: 計画ができあがってブラウザで見られる状態
途中で /tasks を叩いて ultraplan の項目を選ぶと、リンク・作業の様子・Stop ultraplan ボタンがある詳細画面が開きます。
ステップ4: ブラウザを開いて計画を添削する
印が ◆ ultraplan ready に変わったら、リンクからブラウザを開きます。手元の狭い画面より、計画をじっくり読んで赤入れできる広い机が出てくる感じです。添削のやり方は3つ。
- その場コメント: 計画の好きな一節を選んで、Claude宛にコメントを残す
- 絵文字リアクション: 文章を書かずに、章へ絵文字で「いいね」や「気になる」を伝える
- 目次サイドバー: 計画の章と章の間をジャンプして移動する
「検索の入力欄はトップに固定で」みたいにコメントを返すと、Claudeが計画を直して新しい下書きを出してくれます。納得いくまで何度でも往復できる。
ステップ5: 実行先を選ぶ(雲側か、手元か)
計画が固まったら、どこで実行するかをブラウザ側で選びます。ここで2方式に分かれます。
1つめは雲側でそのまま作らせる方式。Approve Claude's plan and start coding を選ぶと、同じ雲のセッションでClaudeが実装を進めます。手元には確認が出て印が消え、作業は雲で続く。終わったら変更点(差分)を見て、ウェブ画面から PR(変更の取り込み依頼)を作れます。
2つめは手元に呼び戻す方式。Approve plan and teleport back to terminal を選ぶと、手元の環境をフルに使って自分の画面で実装できます。雲のセッションは止めて保管されるので、雲と手元で二重に走ることはありません。
ステップ6: 呼び戻したあとの3択を選ぶ
手元に呼び戻すと、Ultraplan approved という見出しのダイアログが出て、3つから選びます。全部挙げます。
- Implement here: 計画を今の会話に差し込んで、さっきの続きから進める
- Start new session: 今の会話を消して、計画だけを材料にまっさらから始める
- Cancel: 実行せず計画をファイルに保存する。Claudeがそのファイルの場所を表示するので、あとで戻れる
まっさらから始める方を選ぶと、Claudeが先頭に claude --resume という呼び出し文を表示してくれます。これでさっきの会話にも戻れる。逃げ道がちゃんと用意されているのは親切です。
つまり /ultraplan は何をしてくれるのか
- やってくれる: 計画づくりを雲側へ預けて、手元を別作業に空ける。広いブラウザ画面で章ごとに赤入れし、実行先をあとから選ばせてくれる
- やってくれない: 手元のセッション内で完結する計画づくり。それは
/ultraplanではなく手元の計画モードの仕事です - 意味が薄い場面: 数行直すだけの小さい変更。設計士に図面を頼むほどでもない作業に毎回これを使うと、雲との往復ぶん手間が増えるだけです
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 料理ブログにレシピ検索を足したいとき
検索機能の追加は、入力欄の置き場所・絞り込みの条件・既存ページとの兼ね合いと、考える点が10個近く出ます。/ultraplan で計画を雲に書かせ、手元では先に画像の差し替えを進める。ブラウザで「材料名でも探せるように」とコメントを足してから、手元に呼び戻して自分の環境で実装、という流れが組めます。
シナリオ2: 家計簿アプリの保存先を入れ替えたいとき
データの保存先を別の仕組みに移すような変更は、計画を間違えると後が大変です。雲側でじっくり計画を書かせて、ブラウザの広い画面で章ごとに絵文字リアクションを付けながら危なそうな箇所を洗い出す。固まったら雲側で実装させて、そのまま PR(変更の取り込み依頼)まで作る使い方が向いています。
シナリオ3: GitHubから持ってきた他人のプロジェクトを改造する直後
中身をまだ把握しきれていないプロジェクトに手を入れるとき、まず /ultraplan に全体を調べさせて計画を書かせます。手元では README を読んで構造を頭に入れる。計画ができたらブラウザで添削し、納得したら呼び戻して Start new session で計画だけを材料に始める、という入り方ができます。
初心者が踏みやすい落とし穴
- 手元の計画モードと混同する。手元の計画モードは今のセッションの中で計画する機能。
/ultraplanは計画作業ごと雲側へ渡して手元を空ける別物です - Remote Control が切れる。
/ultraplanが始まると Remote Control は切断されます。どちらも claude.ai/code の画面を占有するため、同時につなげるのは片方だけだからです - Stop すると何も残らない。途中で止めると雲のセッションは保管されて印は消えますが、手元には何も保存されません。書きかけの計画が欲しいなら止める前にブラウザで確認を
- 呼び戻す選択肢が出ないことがある。Approve plan and teleport back to terminal は、手元から起動して手元がまだ待ち受け中(応答待ち)のときだけ表示されます。条件を外すと出ません
- キーワードでうっかり発動する。ふつうの指示文の中に
ultraplanという単語が混ざっているだけで起動候補になります。確認ダイアログは出るので、意図せず始まったらそこで止められます - Bedrock / Vertex / Foundry では使えない。これらの基盤経由でClaude Codeを動かしている人は、そもそも
/ultraplanが使えません。前提のところで弾かれます
書き方
/ultraplan <やってほしいことの文章>
やってみるとこうなる
入力
/ultraplan migrate the auth service from sessions to JWTs
出力例
雲側のセッションが立ち上がり、手元の入力欄に状態の印が出る(◇ ultraplan=計画作成中、◇ ultraplan needs your input=質問あり、◆ ultraplan ready=添削可能)。◆ ultraplan ready になったらリンクからブラウザを開き、章ごとにコメントや絵文字で添削。固まったら雲側でそのまま実装してPR作成、または手元に呼び戻して実装、を選べる。
このページに出てきた言葉
- Claude Code on the web
- Claude Codeを手元の黒い画面ではなくブラウザ上で動かす版。Anthropicの雲(クラウド)側でプログラムが走る
- 研究プレビュー
- 正式公開前の試験的な提供段階。仕様が後から変わることがある前提で使う
- repo
- プロジェクトのファイル一式と変更履歴をまとめて保存した箱。GitHub上で見えるあれ。読みは「レポ」
- PR
- 変更の取り込み依頼。直した内容を本体に取り込んでほしいと申請する操作(pull request の略)
- Remote Control
- claude.ai/code の画面から、自分のパソコン上で動くセッションを操作する機能。<code>/ultraplan</code> が始まると同時には使えず切断される