Claude Codeで複雑な作業と軽い作業を使い分けたいけど、毎回どのモデルを選べばいいか迷ってる人向け
Claude Codeで普段はSonnetで軽くアイデア出ししていて、いざ「ここから設計をちゃんと詰めたい」「アーキテクチャの判断を任せたい」など重い検討に入る瞬間にOpusへ上げたい場面で叩く。逆に、重い検討が終わって実装フェーズに移るときは /model sonnet で戻して、コストを抑える。組織で利用モデルを縛りたい時は /model 単体ではなく settings.json の availableModels と組み合わせる
Claude Codeで「軽い相談はサクッと、重い判断はじっくり」を1つの会話の中で切り替えるためのスラッシュコマンドが /model です。何も書き足さずに /model だけ叩くと、選べるモデルの一覧が画面に出てきて、上下キーで選び直せます。後ろにモデル名を書き足せば即切り替わります。
毎回コマンドラインから起動し直さなくていい、というのが地味に効きます。会話の途中で「あ、いまから設計詰めるからOpusに上げよう」みたいな判断ができるようになる。
噛み砕くと
同じ会話の中で「相談相手」を切り替えるイメージです。Sonnet(ソネット)は普段使いの相談役、Opus(オーパス)はじっくり考えてもらう相談役、Haiku(ハイク)は裏方の事務作業担当。最初Sonnetで雑談してアイデア出ししていて、いざ「これはちゃんと詰めたい」となったタイミングで /model opus と打つと、その瞬間からOpusが返事してくれます。
これ、けっこう便利です。同じ会話を引き継いだまま頭脳だけ入れ替えてくれる感覚に近い。
大事な前提:選んだモデル名は次の会話に「過去のやり取り全部」を読ませ直す
会話の途中でモデルを切り替えると、次の返事は今までの会話を最初から読み直してから返してきます。これは公式ドキュメントにも書かれていて、ピッカー(一覧画面)で確認プロンプトが出るのもそのためです。
つまり長い会話の終盤で気軽に /model すると、それまでキャッシュ(使い回し用の保存)に乗っていた分が一旦無効化されて、コストがぐっと跳ね上がる場面があります。切り替えるなら会話が短いうち、または重要な判断に入る直前がいい。
「副業の料理ブログを始める」を例に、実際の手順を見る
料理ブログのカテゴリ設計をAIに相談する場面を想定します。最初は気軽にアイデアを出してもらって、方向性が固まってきたところで重い検討に切り替える、という典型的な流れです。
ステップ1: Sonnetで軽くアイデア出しから始める
Claude Codeを起動した直後、現在のモデルを確認します。
> /status
画面の下のほうに Model: sonnet みたいに出てくるはずです。Sonnetのまま雑にお題を投げます。
> 副業で料理ブログ始めようと思ってる。
まずカテゴリどう切るか案を5〜10個出してほしい。
Sonnetは10秒くらいで「節約料理」「時短ごはん」「ひとり暮らし向け」「作り置き」「キャンプ飯」みたいな案をズラッと返してきます。この段階ではOpusはオーバースペックです。
ステップ2: 「これだ」と思ったら Opus に上げる
案を眺めてて「節約料理 × 時短ごはん の合わせ技で、競合との差別化を本気で詰めたい」となった瞬間に切り替えます。
> /model opus
ピッカーを出さずに直接 opus と書き足したので、その場で切り替わります。会話に過去のやり取りがあるので「次の返答は履歴を全部読み直すよ、いい?」みたいな確認が出ることがあります。yで進めます。
ステップ3: 切り替え後にOpusへ重い質問を投げる
> いまの「節約×時短」軸で、
競合5サイト調べて差別化ポイントを3つ提案して。
読者ターゲットも30代共働き / 一人暮らし学生 / 単身赴任 で切り分けたい。
Opusはここから本領発揮です。Sonnetより一段深く考えるので、「30代共働きは作り置き寄り、単身赴任は冷凍ストック寄り、学生は1食300円縛りで型を作る」みたいな、軸の切り分けまで踏み込んだ返事をしてくれます。
ステップ4: 重い検討が終わったらSonnetに戻す
カテゴリ構造が固まったら、次は記事タイトルを量産するフェーズに入ります。これは判断が軽いので、コスト的にもSonnetでいい。
> /model sonnet
ここでも履歴は引き継がれます。Sonnetが「OK、いまの3カテゴリで各10本ずつタイトル案出すね」と返してきます。
ステップ5: 状況を確認したくなったら /status
「今どのモデルだっけ」と途中で分からなくなったら /status。statusline(画面下のステータス表示行)を設定している人は、そこに常時表示されているので確認不要です。
ステップ6: 初心者がやりがちな勘違い
ここで1個落とし穴があります。ピッカーで「Default」を選ぶと、組織が availableModels(利用許可リスト)でモデルを縛っていても、その縛りをすり抜けます。Defaultはアカウント種別に応じた「システム標準モデル」に解決される特殊枠で、availableModelsの対象外なんです。
個人利用ならほぼ気にしなくていいですが、会社で「Sonnetだけ使わせる」運用をしてるチームの場合、Defaultが穴になります。覚えておいて損はない。
つまり /model は何をしてくれるのか
- やってくれる:会話の途中でモデルを差し替える。履歴は引き継がれる。選んだモデルは次回起動後も保存される
- やってくれる:
/modelだけ叩けば一覧画面(ピッカー)が出るので、モデル名を覚えてなくても選べる - やってくれる:
/model画面で左右キーを押すと「考える深さ」(effort level)も同じ画面で調整できる - やってくれない:切り替え時にコストの増減を教えてはくれない(履歴の読み直しが走るので、実は重い)
- 意味が薄い場面:会話の冒頭、まだ何も話していない段階での切り替え。それなら
claude --model opusで起動すれば済む
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 家計簿アプリの設計を本気で詰めるとき
普段はSonnetで「画面遷移どう作る?」みたいなラフ相談をしていて、いざ「データベースのテーブル設計を詰める」「収支カテゴリの正規化どこまでやる」となった瞬間に /model opus へ。設計判断は後で取り返しがつかない(一度作ったテーブルを後から大改造するのは重い)ので、ここはOpusの判断力に賭けます。実装フェーズに入ったら /model sonnet で戻す。
もしくは /model opusplan という特殊枠を使うと、計画モード中はOpus・実装モードに入った瞬間Sonnetに自動で切り替わります。手動で切り替える手間が省けるので、設計→実装を一気通貫でやる日に向いてます。
シナリオ2: OSS(オープンソース)をcloneしてきて初日に構造を読み解くとき
知らないコードベースを読み始める初日は、いきなりOpusの全力に頼るより、まずSonnetで「このリポジトリ何してるアプリ?フォルダ構成ざっと教えて」と聞いて、ざっくり地図を作るのがコスパいい。地図ができてから「このモジュールの責務分担、明らかに歪んでる気がする。どこから直す?」みたいな重い判断のターンで /model opus に上げる。最初からOpusで読み始めると、地図作り段階のトークン消費がもったいないです。
シナリオ3: 長い会話で「いまから1Mコンテキストに切り替えたい」とき
5万トークンを超えた長い会話で、過去のやり取り全部を見渡しながら判断してほしくなる場面があります。そういうときは /model opus[1m] や /model sonnet[1m] を使う。[1m] サフィックスは1Mコンテキストモード(=普段の200Kから5倍に拡張)の指定です。ただし切り替えた瞬間に過去会話を全部読み直すので、ここでもコストは跳ねます。「もう終盤だから、このまま走り切る判断だけしてほしい」というケース向けで、序盤に気軽に使うものではない。
初心者が踏みやすい落とし穴
- Bedrock / Vertex / Foundry 経由だと
opusが最新じゃない。Anthropic API直接接続だとopusはOpus 4.7に解決されますが、AWS Bedrock・Google Vertex AI・Microsoft Foundry 経由だとOpus 4.6のままです(2026-04時点)。最新を使いたいなら/model claude-opus-4-7のように完全なモデル名で指定するか、環境変数ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODELを設定する - 長い会話の終盤で気軽に切り替えるとコストが跳ねる。切り替え後の最初の返事は会話履歴を全部読み直す仕様なので、それまでキャッシュに乗っていた分が無効化される。切り替えるなら序盤か、重い判断に入る直前のタイミングで
- ピッカーで「Default」を選ぶと組織の利用許可リストをすり抜ける。会社で
availableModelsを使ってモデルを縛っている場合、ユーザーがDefaultを選ぶとアカウント種別に応じた標準モデルに解決されてしまう。ガチで縛りたいならANTHROPIC_DEFAULT_*_MODEL系の環境変数も合わせて設定する必要がある - Haikuはメインのお供じゃない。一覧に並んでるけど、Haikuは「裏方の事務処理(要約・自動命名・サブタスク)」用に設計されているモデル。普段の対話のメインに据えると判断が浅くて困る場面が多い。
ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODELで裏方として指定するのが本来の使い方 - v2.1.117より前は、プロジェクト側設定が違うモデルを指定していると再起動で戻る。v2.1.117以降は
.claude/settings.local.jsonにも書き込まれて維持されるようになったので、Claude Codeのバージョンが古い人はupdate推奨 - 設定の優先順を勘違いしない。強い順に「セッション中の
/model操作」>「起動時--model」>「環境変数ANTHROPIC_MODEL」>「settings.json」。組織管理者が設定する Managed Settings はこれより上に来る - Opus 4.7はv2.1.111以降が必須。古いバージョンだと
/model opusしても4.7にならない。claude updateで上げる
書き方
/model
/model <モデル名>
例: /model opus / /model sonnet / /model opus[1m] / /model opusplan
やってみるとこうなる
入力
/model opus
出力例
Switched model to opus.
(直近の会話に過去のやり取りがある場合は「次の返答は履歴を全部読み直すよ、よろしい?」という確認プロンプトが出ることがある。yで進める)
以降の返事はOpus 4.7(Anthropic API経由の場合)が担当する。
このページに出てきた言葉
- モデルエイリアス
- Sonnet・Opus・Haikuなど、覚えやすい名前で呼べるように用意された別名。実体は <code>claude-opus-4-7</code> のような長いモデル名で、エイリアスは「最新の推奨版」に自動で解決される
- opusplan
- /model の特殊な選択肢。Plan Mode(計画モード)中はOpusで重く考え、実装フェーズに入った瞬間にSonnetへ自動で切り替わるハイブリッド枠
- 1Mコンテキスト
- 1度に読み込める文章量の上限を約100万トークン(普段の5倍)に拡張するモード。<code>opus[1m]</code> や <code>sonnet[1m]</code> で指定する
- effort level
- モデルが「どれだけ深く考えるか」を5段階(low / medium / high / xhigh / max)で指定する設定。Opus 4.7のデフォルトはxhigh。<code>/effort</code> または <code>/model</code> 画面の左右キーで変更
- availableModels
- 組織管理者が「このモデルだけ選べる」と利用許可リストを設定する項目。<code>settings.json</code> に書く。ただしDefault枠はこれに縛られない例外がある
- statusline
- Claude Codeの画面下に常時表示できる情報行。現在のモデル名・使用トークン量・現在地のフォルダなどを出せる
- Bedrock / Vertex / Foundry
- それぞれAWS / Google Cloud / Microsoft Azure が提供している、AIモデルをホストして使えるようにするサービス。会社のセキュリティ要件で「AnthropicのAPIに直接つなげない」という場合に、これら経由でClaudeを使う
- キャッシュ
- 同じ内容を毎回ゼロから読み直さないように、AI側が一時的に覚えておく仕組み。会話が続いている間はこれが効くのでコストが安く済むが、モデルを切り替えると効かなくなる