自宅や職場のPCでClaude Codeを動かしていて、外出先のスマホや別のPCからその動いているセッションを操作したい人向け
自宅PCで料理ブログづくりなどの作業を回しっぱなしにして外出するとき、出先のカフェのPCやソファのスマホからその続きを触りたい場面で、作業したいフォルダの中で claude remote-control を打って待ち受け状態にし、表示されたURLかQRコードでつなぐ。
自宅のPCでClaude Codeを動かして作業の続きをやらせている最中に、出かける用事ができる。手元を離れたらその作業が止まってしまう。claude remote-control は、その動いているセッション、つまりClaude Codeとの1回のやり取りのまとまりを、外出先のスマホや別のPCから操作できるようにするための起動のしかたです。
ポイントは「動かしているのは、あくまで自宅のPCのまま」だというところ。クラウドに引っ越すわけではありません。スマホ画面は、自宅PCで回っているセッションを覗き込む窓みたいなものです。
噛み砕くと
自宅のPCを、来客を待ち受けるお店だと思ってください。claude remote-control を打つと、そのお店が「いつでもどうぞ」と看板を出した状態になります。お店の中のファイルや作業環境はそのまま動き続けていて、外からお客さん、つまりスマホやカフェのPCがその様子を見て、注文にあたる指示を出せる。
大事なのは、お店そのものが移動するわけじゃないこと。あなたのスマホはリモコンで、料理を作っているのは自宅PCの厨房です。だから手元のファイルもそのまま使えるし、外から指示を足しても自宅PC上で実行される。
ここが地味にすごい。
クラウドに作業を丸ごと送って向こうで走らせる方式とは、根っこが違います。その方式が後で出てくる --remote で、こちらとは正反対です。
大事な前提:使えるプランと、最低限の準備がある
この機能は誰でもすぐ使えるわけではありません。公式の条件はけっこうはっきりしています。
この機能はいま研究プレビュー中で、公式の案内では全プランから使えるとされています。ただし API key でのログインでは使えず、claude.ai のアカウントでのログインが必要です。Team と Enterprise の場合は、管理者が先に Claude Code の管理設定で Remote Control のスイッチをオンにしておかないと使えません。
次に、一度 claude を起動して /login で claude.ai 経由のログインを済ませておくこと。さらに作業したいフォルダの中で一度 claude を起動して、「このフォルダを信用するか」の確認に答えておくこと。Claude Code 自体も v2.1.51 以降である必要があります。
準備が雑だと、外出先で「つながらない」となって詰みます。出かける前に手元で1回つないでおくのが安全です。
「cooking-blog」を例に、実際の手順を見る
料理ブログ「cooking-blog」のプロジェクトを自宅PCで作っているとします。レシピ一覧の機能を作りかけたまま、これからカフェに移動する。続きをカフェのPCから触りたい。やってみます。
ステップ1: 作業したいフォルダに移動する
まず自宅PCで、cooking-blog のフォルダに移動します。ここで起動しないと、別の場所のファイルを触ることになってしまいます。
$ cd cooking-blog
ステップ2: サーバーモードで立ち上げる
そのまま次の1行を打ちます。名前を付けておくと、あとでスマホ側の一覧から探しやすくなります。
$ claude remote-control --name "cooking-blog"
この --name の後ろに続けて書いた "cooking-blog" が、claude.ai/code のセッション一覧に表示される名前になります。
ステップ3: 待ち受け状態になったのを確認する
起動すると、この画面はずっと開いたまま、外からの接続を待ち受ける状態になります。手元でここに文字を打って会話することはしません。代わりに接続用のURLが表示されます。
ここで初心者がやりがちな勘違いがひとつ。「待ち受けてるだけで手元では会話できないなら、このウィンドウ閉じてもいいよね?」と思って閉じてしまう人がいます。閉じたら終わりです。後の落とし穴で詳しく触れます。
ステップ4: スマホで読み取るQRコードを出す
表示されたURLをブラウザで開いてもつながりますが、スマホで手早くやるならQRコードが楽です。待ち受け画面でスペースキーを押すと、QRコードの表示・非表示が切り替わります。
$ # 待ち受け画面でスペースキーを押すとQRコードが出る
Claude アプリがまだスマホに入っていない場合は、手元で /mobile と打つとダウンロード用のQRコードが出ます。
ステップ5: カフェで接続する
カフェに着いたら、スマホのClaude アプリ、もしくはカフェのPCのブラウザで claude.ai/code を開きます。セッション一覧に "cooking-blog" が出ていて、横にPCのアイコンと緑の点が付いていれば、自宅PCがオンラインで待っているサインです。それを選べば接続完了。
つながると、自宅PCに置いてある cooking-blog のファイルがそのまま見えます。@ を打てばローカルのファイル名が補完されます。クラウドに上げ直したわけではなく、自宅PCの中身をそのまま操作している状態です。
ステップ6: レシピ機能の続きを指示する
あとは普通に指示するだけ。「レシピ一覧に並び替え機能を足して」とスマホから送れば、自宅PCのClaude Codeがそれを受けて、自宅PC上で src の中のファイルを書き換えていきます。
会話は全部の画面で同期します。カフェのPCで送った指示も、家に戻って自宅PCの画面を見れば履歴に残っている。途中でスマホがスリープしても、ネットが一瞬切れても、復帰すれば自動でつなぎ直してくれます。
つまり claude remote-control は何をしてくれるのか
- やってくれる: 自宅PCで動いているセッションを、外出先のスマホ・別PCのブラウザ・Claude アプリから操作できるようにする。手元のファイルや設定、つないでいるMCPサーバーもそのまま遠隔で使える
- やってくれる: 1台の自宅PCで複数のセッションを同時に待ち受ける。終了後ではなく作業中の続きを、別の場所から拾える
- やってくれない: 作業をクラウドに引っ越すことはしない。自宅PCの電源が落ちたり、待ち受けの画面を閉じたりすると、つなぎ先そのものが消える
- 意味が薄い場面: ずっと同じPCの前に座って作業する日。外から触る予定がないなら、わざわざ待ち受けにする必要はない
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 重い処理を回しっぱなしで外出するとき
cooking-blog のレシピ500件をまとめて整形させる指示を自宅PCに出した。終わるまで30分かかる。待っている間に買い物に出たい。claude remote-control --name "cooking-blog" で待ち受けにしておけば、スーパーのレジ待ちの間にスマホで進み具合を見て、エラーが出ていればその場で「この件は飛ばして次へ」と送れます。家に着く頃には片付いている、という使い方です。
シナリオ2: 自宅PCの環境をカフェPCから借りたいとき
カフェのPCには cooking-blog の環境も、つないでいるMCPサーバーも入っていません。新しくセットアップするのは面倒。そんなとき、自宅PCを待ち受けにしておけば、カフェのPCのブラウザから claude.ai/code を開くだけで、自宅PCの環境ごと借りられます。カフェのPCには何もインストールせずに、自宅と同じファイルを触れる。出先のPCを汚さずに済むのが地味にありがたい。
シナリオ3: 寝る前にソファから最後の確認を送るとき
夜、デスクで cooking-blog のレシピ投稿フォームを作りかけた。歯を磨いてソファに移動してから、「そういえばバリデーションの確認を頼み忘れた」と思い出す。デスクに戻らなくても、ソファでスマホからセッションを開いて「入力チェックの抜けがないか見て」と送れる。デスクの画面はそのまま、ソファの操作が反映されます。会話が同期しているので、翌朝デスクで続きから再開できます。
初心者が踏みやすい落とし穴
- 【最重要】
claude remote-controlと--remoteはまったくの別物。--remoteは claude.ai のクラウド側に新しいセッションを立ててそこで実行する機能。claude remote-controlは手元のPCで実行したまま外から覗くだけで、クラウドには移しません。名前が似ているので混同しがちですが、走る場所が正反対です - 待ち受けの画面を閉じたら終わる。手元では会話できないからと画面を閉じたり、claude を止めたり、VS Codeを終了したりすると、待ち受けそのものが消えてセッションが終了します。外から触りたいなら、自宅PCのその画面は開けっぱなしにしておく
- ネットが約10分以上切れると終了する。自宅PCのネットが10分くらい途切れるとタイムアウトして待ち受けが落ちます。落ちたらもう一度
claude remote-controlを打ち直して立て直す。一瞬の切断は自動で復帰するので、そこは心配いりません - API key ログインでは使えない。claude.ai のアカウントでのログインが必須です。Team / Enterprise を使っている人は、管理者が管理設定でこの機能をオンにしていないと、そもそも一覧に出てきません
- スマホ側からは使えないコマンドがある。
/mcp/plugin/resumeのように、選択リストを画面に開くタイプのコマンドは、手元のターミナルからしか動きません。一方/compact/clear/context/usage/exitのように文字で結果が返るものは、スマホ・ブラウザからでも使えます - ultraplan を始めると切れる。ultraplan のセッションを開始すると Remote Control が切断されます。両方が claude.ai/code の同じ接続枠を取り合うため、同時には使えません
- 同じ作業フォルダの取り合いに注意。
--spawnを指定せず既定のまま複数つなぐと、全部のセッションが同じ作業フォルダを共有します。同じファイルを別々の接続から同時に書き換えると衝突します。接続ごとに作業場所を分けたいなら、後ろに--spawn worktreeと足して git worktree 方式にする手があります
書き方
claude remote-control --name "つなぎ先に表示したい名前"
やってみるとこうなる
入力
$ cd cooking-blog
$ claude remote-control --name "cooking-blog"
出力例
待ち受け画面が開いたまま外からの接続を待つ状態になり、接続用のURLが表示される。スペースキーを押すとスマホ用のQRコードが出る。接続中は接続状況とツールの動きが画面に表示され続ける。
このページに出てきた言葉
- セッション
- Claude Codeを起動してから終えるまでの、会話履歴や作業フォルダをひとまとめにした1回のやり取りの単位
- サーバーモード
- <code>claude remote-control</code> を打ったときの動き方。手元では会話せず、外からの接続をただ待ち受ける状態
- ローカル
- クラウド(インターネットの向こうの他人のコンピューター)ではなく、あなたが今触っている手元のPCの上、という意味
- --remote
- 名前が似ているが別物。claude.ai のクラウド側に新しいセッションを立ててそこで実行する機能で、走る場所が逆
- MCPサーバー
- Claude Codeに外部のツールやデータをつなぐ小さな連携プログラム。手元PCにつないだものが遠隔でもそのまま使える
- git worktree
- 同じプロジェクトを別々の作業場所に分けて並行で扱う仕組み。接続ごとにフォルダを分けてファイルの衝突を防げる