/context(コンテキスト)

スラッシュコマンド
/context
コンテキスト
今このセッションで「AIが一度に持てる記憶の枠」が何にどれだけ使われているかを、色分けされた格子の絵で可視化する確認専用のスラッシュコマンド。コマンドの後ろに何も書き足さず、そのまま叩いて使う。組み込みのbuilt-inコマンドで、bundled skillではない

Claude Codeで作業中、コンテキストが膨らんできて動作が重くなった人向け

Claude Codeを長時間動かしていて返事が遅くなった、序盤に決めたルールを忘れ始めた、あるいはモノレポを読み込ませた直後で「何もしていないのに重い」と感じた場面で、まず <code>/context</code> を叩いて図を見る。図の下に出る『context-heavy tools / memory bloat / capacity warnings』のどれが点いているかを読み、片付けるなら <code>/compact</code>、初期化するなら <code>/clear</code> へ進む判断材料にする

Claude Codeを長時間動かしていると、だんだん返事が遅くなったり、序盤に決めたはずのルールを忘れたりする瞬間があります。これは会話の中身が積み上がりすぎて、AIが一度に持てる「記憶の枠」が埋まりかけているサインです。/context はその枠の今の埋まり具合を、色分けされた格子の絵で見せてくれる確認用のスラッシュコマンドです。

叩いても会話は1文字も削れません。あくまで「いま何にどれくらい使われているか」を可視化するだけ。何を消すかの判断材料を出してくれる相棒、くらいの位置づけです。

噛み砕くと

会議室のホワイトボードを思い浮かべるとわかりやすいです。Claude Codeのセッションは、1枚のホワイトボードに「事前に貼ってある社内ルール」「過去の議事録」「今日の打ち合わせ内容」が全部のっている状態。書ける面積は決まっているので、どれかが場所を取りすぎると、新しい議題を書くスペースが足りなくなります。

/context は、そのホワイトボードを上から見下ろして「ここはCLAUDE.mdが占有」「ここは過去のファイル読み込みで埋まっている」「ここはまだ空いてる」と色塗りで教えてくれる絵です。

絵を見るだけで何かが消えるわけではない、ここがポイント。

大事な前提:このコマンドは見るだけ。掃除はしない

初心者がつい混同しやすいのですが、/contextは現状を表示するだけで、会話を要約したり消したりはしません。掃除担当は別にいます。/compact は会話を要約して空きを作る片付け係、/clear は新規セッションを始める初期化係です。

/context はその前段。「今どこが膨らんでるか」を確認してから、片付けるか初期化するかを自分で決めるための一手です。

「Aisola Labのブログ執筆セッション」を例に、実際の手順を見る

例として、Aisola Labで2時間くらいブログ記事の本文を書かせ続けて、最後の方で返事が遅くなってきたシーンを想像します。何が起きていて、何を見て、どう判断するかを順に追います。

ステップ1: 違和感に気づく

朝イチで叩いた時はキビキビ動いていたのに、午後3時を回ったあたりで返事が30秒以上待たされる。さっき決めたはずの「タイトルにツール名を前半に入れる」ルールを2回連続で忘れている。これが「枠が埋まってきた」サインです。

ステップ2: そのまま /context と打って送信する

会話入力欄で / を打つと候補が出てくるので、そこから選んでもいいし、直接 /context と打ってもOK。後ろに何も書かずに送ります。

> /context

ステップ3: 色分けされた格子が表示される

送ると、四角いマス目が縦横に並んだ図が黒い入力画面(ターミナル)に描かれます。マスごとに色が違っていて、それぞれ「何で埋まっているか」を表しています。ざっくり言うと、システムの初期設定・読み込んだファイル・過去のやり取り・今のあなたの入力、みたいな分類で色分けされる絵です。

ステップ4: 「最適化のヒント」を読む

図の下に、Claude Code側からの提案文が出ます。よく出るパターンは3種類です。

  • context-heavy tools - 「この処理が大量の文字列を返したので場所を取っています」みたいなお知らせ。重い読み込みで枠を食っているツールの警告で、ファイル全文を一度に読み込ませた直後によく出ます
  • memory bloat - メモリの肥大化を示す警告。CLAUDE.mdや、自作のスキル・エージェント設定ファイルが膨らみすぎて、起動時の読み込み分だけで枠の何割かを消費している状態
  • capacity warnings - 残量警告。そろそろ満タンに近い、このまま続けると古い会話から押し出される、という赤信号

ステップ5: ここで初心者がやりがちな勘違い

図を見て「赤いマスがある=壊れた」と思ってしまうケースです。赤色は「ここが多くを占めています」というだけで、エラーではありません。何かを消したり再起動する必要はなく、そのマスの正体(どのファイルが食ってるか)を見て、自分で対処を選ぶフェーズに移るだけです。

ステップ6: 判断して次の一手を打つ

例えば「ブログ記事の過去版を3本まとめて読ませた分が枠の40%を占めている」と分かったとします。私なら、要約だけ残して原文を捨てたいので /compact を叩いて圧縮します。「もう全部リセットして書き直したい」場面なら /clear で初期化。「CLAUDE.mdが膨らみすぎている」と出たなら、テキストエディタで開いてルール本文をスリム化する、というふうに次の手が決まります。

つまり /context は何をしてくれるのか

  • やってくれる: 今のセッションで何が枠を食っているかを、色付きの図と短い提案文で可視化する
  • やってくれない: 会話の削除・要約・再起動。あくまで現状を見せるだけで、片付けは別コマンドの担当
  • 意味が薄い場面: 起動した直後やまだ数往復しか会話していない時。枠はガラ空きなので見ても得るものが少ない

使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)

シナリオ1: 長尺のブログ執筆セッションが重くなってきたとき

Aisola Labで「タピオカ屋のレビュー記事」を朝から書き続けて、午後になって返事が遅くなった瞬間。/contextで図を出すと、過去原稿3本分の読み込みが枠の半分近くを占めている、みたいな絵が見えます。これが見えれば、参考原稿を一度切り離して圧縮するか、原稿のうち1本だけ残す判断がつきます。

シナリオ2: モノレポをcloneしたあと、何も見えないのに重いとき

家計簿アプリの既存OSSを手元に持ってきて、Claude Codeに「全体把握しといて」と頼んだ直後によくあります。何もしてないのに最初から枠の3〜4割埋まっている感覚。/contextを叩くと、起動時に読まれたCLAUDE.mdとskill類だけで結構な面積を食っていることが分かります。私なら、当面使わないスキルをオフにして再起動、という判断につなげます。

シナリオ3: 1Mコンテキストの大きい枠を使っているのに息切れするとき

Opus・Sonnetの長尺モード(1M Context)に切り替えて「これで一日中余裕でしょ」と思っていたのに、夕方には推論が鈍る。/contextでcapacity warningsが出ているなら、枠が広いだけで使い切れば同じこと、というだけの話。広い枠でも掃除は要る、と気づくきっかけになります。

初心者が踏みやすい落とし穴

  • /compact/clear と取り違える/context は表示専門で、会話は1行も削らない。/compact は同じセッションを続けたまま中身を要約して圧縮、/clear は新規セッションを始める初期化。掃除したいなら別コマンドを叩く
  • 料金確認の /usage/cost と混同する。あちらは累計のトークン消費・課金の話、こちらは今このセッションの内訳。見える数字の意味が違う
  • 赤いマスをエラーと勘違いする。色は「使用量の濃淡」を表しているだけで、不具合のサインではない
  • 図を見ただけで満足して何もしない。提案文に「memory bloatが起きている」と出ているのに放置すると、20分後にcapacity warningsまで進む
  • 1M Contextに切り替えれば叩かなくていい、と思い込む。枠が広くなっても何が食っているかの内訳は同じ。掃除タイミングを見逃すと結局息切れする
  • セッション開始直後に叩いて「何も埋まってない」と落胆する。本来は会話が積み上がってから叩くコマンド。初っ端では情報量が少なくて当然
  • スキル・エージェントを増やしすぎたまま放置。memory bloatの常連がここ。/contextで警告が出たら、いま使っていないスキルを一度オフにする

書き方

/context

やってみるとこうなる

入力

> /context

出力例

色分けされた格子図が黒い入力画面(ターミナル)に描かれ、各マスが「システム初期設定」「読み込んだファイル」「過去のやり取り」「今の入力」などで埋まっている割合を可視化する。図の下には『このツールが大量の文字列を返したので場所を取っています(context-heavy tools)』『CLAUDE.mdやスキル設定の読み込みだけで枠の何割かを消費しています(memory bloat)』『そろそろ満タンに近いです(capacity warnings)』のいずれかの提案文が、状況に応じて表示される

このページに出てきた言葉

コンテキスト
AIが今のやり取りの中で「一度に覚えておける情報のかたまり」のこと。会話・読み込んだファイル・初期設定が全部ここに入る
セッション
Claude Codeを起動してから終わるまでの一連の会話のかたまり
スラッシュコマンド
半角の <code>/</code> で始まる短い命令で、Claude Codeに特別な動作を指示する入口
memory bloat
起動時に自動で読み込まれるCLAUDE.mdやスキル設定が膨らみすぎて、それだけで記憶の枠の何割かを消費している状態
capacity warnings
記憶の枠の残量が少なくなったときに表示される赤信号。このまま続けると古い会話から押し出される
圧縮
会話の中身を短い要約に置き換えて、記憶の枠に空きを作る操作。<code>/compact</code> が担当する

関連項目

公式ドキュメント

https://code.claude.com/docs/en/commands

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