長く走る作業をClaude Codeに任せて席を離れたい人向け
料理ブログの全画像を一括で軽くする作業や、テスト一式を流す作業など、数十分かかる頼みごとを任せて席を立ちたい時に使う。指示文の最後に「終わったら知らせて」と一言足し、スマホで受けたいなら Remote Control をつないでから離席すると、完了時や判断が要る時に知らせが来る。
PushNotification は、Claude Code が長く走る作業の途中や完了時に「終わったよ」「ここ判断して」と知らせを飛ばす道具です。私たちが直接叩くものではなく、Claude 自身が必要なタイミングで呼びます。手元の画面が見えていれば、画面の通知が出ます。スマホに飛ばしたいときだけ追加の準備が要ります。
狙いははっきりしています。重い作業を任せて席を立ったあと、いつ終わったか分からずに何度も画面を覗きに戻る、あの無駄をなくすことです。
噛み砕くと
これは料理屋のキッチンタイマーに近い役目です。コンロに鍋をかけて煮込みを始めたら、ずっと鍋の前で待つ人はいません。タイマーをセットして他のことをして、ピピッと鳴ったら戻ってくる。PushNotification はその「ピピッ」を担当します。
鳴らすかどうかを決めるのは Claude です。私たちは煮込みを頼むときに「煮上がったら呼んで」と一言添えるだけ。あとは Claude が頃合いを見て鳴らします。
ここがこの道具の面白いところ。
手元の画面の通知(パソコンの右上などに出るあれ)は、特別な準備なしで出ます。スマホへの知らせは、後で説明する Remote Control という別の仕組みがつながっている間だけ飛びます。この2段構えが全体の肝です。
大事な前提:スマホに飛ばすには Remote Control がつながっている必要がある
PushNotification 自体は許可確認なしで Claude が呼べます。手元の画面の通知だけなら、本当に何の準備も要りません。
ただ、スマホへの知らせは話が別です。Remote Control がつながっている間しか飛びません。しかもスマホ側に Claude Code v2.1.110 以降が要ります。
公式は数字でこう区切っています。
Mobile push notifications require Claude Code v2.1.110 or later.
古い版だとスマホの知らせは動きません。ここを外すと、いくら設定しても延々スマホが鳴らない事故になります。
「料理ブログの全画像を軽量化して、終わったらスマホに知らせて」を例に手順を見る
料理ブログの記事が全部で200本、それぞれに写真がぶら下がっていて、合計が重すぎてページの表示が遅い。これを Claude Code に一括で軽量化させて、完了したらスマホに知らせてもらう流れを追います。所要は数十分の作業を想定します。
ステップ1: スマホに Claude アプリを入れる
iOS か Android の Claude アプリをスマホに入れます。公式のセットアップはここから始まります。
ステップ2: 手元と同じアカウントでサインインする
アプリに入ったら、手元の画面で Claude Code に使っているのと同じアカウント・同じ組織でサインインします。公式の指示はこうです。
Use the same account and organization you use for Claude Code in the terminal.
別アカウントで入ると知らせの届け先がつながりません。
ステップ3: スマホ側で通知を許可する
スマホの基本ソフトが「通知を出していい?」と聞いてくるので、それを許可します。
Accept the notification permission prompt from the operating system.
ここで拒否すると、後の設定を全部やっても1件も鳴りません。
ステップ4: 手元の Claude Code で知らせをオンにする
手元の画面で /config を開いて、「Push when Claude decides(Claude が判断したら push する)」をオンにします。
In your terminal, run
/configand enable Push when Claude decides.
ここまでがスマホへ飛ばすための4つの準備です。1つでも抜けると鳴りません。
ステップ5: Remote Control をつないでから作業を頼む
スマホに飛ばしたいなら、Remote Control がつながった状態を作ってから席を離れます。その上で、軽量化の指示文の最後に「終わったら知らせて」と一言足します。公式が挙げている頼み方の例はこれです。
notify me when the tests finish
料理ブログの場合なら、私はこう頼みます。「料理ブログの全記事の画像を一括で軽量化して。終わったらスマホに知らせて」。この一言があると Claude が完了時に PushNotification を呼びやすくなります。
ステップ6: 席を立つ。終わったら鳴る
あとは放置でいいです。200本ぶんの画像処理が走っている間、買い物にでも行けます。処理が終わったタイミングで Claude が PushNotification を呼び、スマホがピピッと鳴る。戻ってきて結果を確認すればいい。
ここで初心者がやりがちな勘違いを1つ。鳴らすかどうかは Claude が決めます。「画像を1枚処理するごとに鳴らして」みたいな細かい鳴らし分けは設定できません。公式もこう言い切っています。
Beyond the on/off toggle below, there is no per-event configuration.
オン・オフの切り替えがあるだけで、種類ごとの細かい指定はない、という意味です。
つまり PushNotification は何をしてくれるのか
- やってくれる: 長い作業が終わった時や、判断を仰ぎたい時に、手元の画面の通知を出す。Remote Control がつながっていればスマホにも飛ばす
- やってくれない: 鳴らすタイミングを私たちが細かく指定すること。通知の種類ごとの個別設定。Amazon Bedrock / Google Vertex AI / Microsoft Foundry 経由でのスマホ配送
- 意味が薄い場面: 数秒で終わる作業。ずっと画面の前に座っていて知らせが要らない場面
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 料理ブログの全画像を一括軽量化して席を立つとき
200本ぶんの写真を軽くする処理は数十分かかります。終わるまで画面を見張るのは時間の無駄。Remote Control をつないで「終わったらスマホに知らせて」と頼み、その間に晩ごはんの仕込みでもする。ピピッと鳴ったら戻って、表示速度が改善したか確認すればいい。私はこの「鍋を火にかけて離れる」型の使い方が一番しっくりきます。
シナリオ2: 家計簿アプリのテスト一式を流して結果待ちのとき
テスト一式は流すのに時間がかかることがあります。終わるのを画面前で待つより、別の作業に移りたい。指示文の最後に公式の例どおり notify me when the tests finish と書いておけば、テストが終わった時に知らせが来ます。Remote Control がつながっていればスマホにも飛ぶので、別室にいても気づけます。
シナリオ3: 途中で判断を仰がれて止まるのが怖いとき
長い作業は、途中で「このやり方でいい?」と Claude が判断を求めて止まることがあります。席を離れていると、止まったことに気づかず30分放置、なんてことになりがち。PushNotification は完了時だけでなく、こういう「決めてほしい」場面でも鳴ります。公式も典型例として、作業完了時と判断が要る時の2つを挙げています。だから離席中でも、止まったらすぐ戻れます。
初心者が踏みやすい落とし穴
- スマホに届かない一番の容疑者は Remote Control がつながっていないこと。つながっていない間は手元の画面の通知だけです。スマホで受けたいなら、つないでから離席します
/configの「Push when Claude decides」がオフのまま。ここをオンにしないとスマホには飛びません- 「No mobile registered」と表示される。
/configがこう出たら、スマホで Claude アプリを開いて push の届け先を示す合言葉を更新します。公式の指示はこうです。
If
/configshows No mobile registered, open the Claude app on your phone so it can refresh its push token. The warning clears the next time Remote Control connects.次に Remote Control がつながった時に警告が消えます
- iOS の集中モードや通知のまとめ機能が知らせを抑えたり遅らせたりします。公式はこう案内しています。
On iOS, Focus modes and notification summaries can suppress or delay pushes. Check Settings → Notifications → Claude.
- Android の電池節約のしすぎで届くのが遅れます。公式の対処はこれです。
On Android, aggressive battery optimization can delay delivery. Exempt the Claude app from battery optimization in system settings.
Claude アプリを電池節約の対象から外します
- 通知の種類ごとの細かい設定はできない。あるのはオン・オフの切り替えだけです
- Amazon Bedrock / Google Vertex AI / Microsoft Foundry 経由ではスマホ配送が使えない。知らせは Anthropic の基盤を通るためです
- 席を離れる前提の道具なのに、手元の画面の通知だけだと離席中は気づけない。スマホで受けたいなら、必ず Remote Control をつないでから離れます
書き方
(私たちが打つものではなく、Claude が作業の節目で自分で呼ぶ。スマホで受けたいときは手元の画面で /config を開き「Push when Claude decides」をオンにする)
やってみるとこうなる
入力
料理ブログの全記事の画像を一括で軽量化して。終わったらスマホに知らせて
出力例
画像の一括軽量化が走っている間は席を離れていられる。完了したタイミングで Claude が PushNotification を呼び、手元の画面に通知が出る。Remote Control がつながっていればスマホもピピッと鳴り、戻ってきて結果を確認できる。
このページに出てきた言葉
- Remote Control
- 手元のパソコンで動いている Claude Code のやりとりを、スマホやブラウザからも続けられるようにする公式の仕組み。スマホへの知らせはこれがつながっている間だけ飛ぶ
- Claude Code v2.1.110
- Claude Code の版番号。スマホへの知らせはこの番号以降でないと動かない。<code>claude --version</code> で今の番号が見られる
- Push when Claude decides
- <code>/config</code> の中にあるオン・オフの切り替え。これをオンにすると、Claude が判断した時にスマホへ知らせが飛ぶ
- No mobile registered
- <code>/config</code> に出る警告で、スマホがまだ知らせの届け先として登録されていない状態。スマホで Claude アプリを開くと合言葉が更新され、次に Remote Control がつながった時に消える
- Amazon Bedrock / Google Vertex AI / Microsoft Foundry
- Claude を別会社の基盤経由で動かす使い方。スマホへの知らせは Anthropic の基盤を通るため、これら経由では届かない