Claude Codeとの長い会話を見返したい・検索したいのに、画面を遡る方法が分からない人向け
Claude Codeと数十回やりとりした長い会話で、前にClaudeが直したファイル名やエラーの内容を見返したい・検索したいときに使う。まずCtrl+Oでビューアを開き、{ }で自分の指示をたどる、/で文字検索する、[で全文を端末に書き戻して見慣れたCmd+Fで探す、という流れになります。ただし?・{・}・[・vの5つは全画面表示モード(/tui fullscreenで切り替え、Claude Code v2.1.89以降が必要)でないと反応しないので、先に/tui fullscreenを打っておく必要があります。
Claude Codeと長く会話していると、数十回前のやりとりに戻りたくなります。「さっきClaudeが直したファイル名なんだっけ」「あのエラー文どこ行った」。画面をひたすら上にスクロールするのは正直つらいです。トランスクリプトビューアの中で効くキー集めが、ここで紹介する ? { } [ v q たちです。
入口は Ctrl+O。これでビューアを開いたあと、上のキーで「次のあなたの発言へ飛ぶ」「会話を端末に書き出して検索する」「別アプリで開く」といった見返し作業ができます。
噛み砕くと
会話の記録を、図書館の閲覧室みたいに「専用の机」に広げて読む感覚です。普段の入力画面は流れていくレシートのようなもので、上に行った分は探しづらい。Ctrl+O で閲覧室に入ると、そこ専用の道具が机に置いてあります。
「次の質問へジャンプする付箋」が { と }。「全文を端末のいつもの履歴に書き写すコピー機」が [。「いつものメモ帳アプリに丸ごと持ち出すボタン」が v。閲覧室を出る扉が q です。
どれも机の上でしか使えません。机に入る前に押しても何も起きないわけです。
大事な前提:この道具の大半は「全画面表示モード」でしか動かない
ここがいちばんの落とし穴です。? と { } と [ と v の4つは、Claude Codeの「全画面表示モード」が有効でないと反応しません。Ctrl+O でビューアを開いただけでは足りないんです。
この全画面表示モードは、まだお試し公開の段階です。公式の注意書きを引用します。
Fullscreen rendering is an opt-in research preview and requires Claude Code v2.1.89 or later. Run
/tui fullscreento switch in your current conversation, or setCLAUDE_CODE_NO_FLICKER=1on versions before v2.1.110. Behavior may change based on feedback.
つまり Claude Code v2.1.89 以降が必要で、会話の中で /tui fullscreen を1回打って切り替えます。設定は保存され、会話を保ったまま全画面表示に入れます。今どっちの描画かを確かめたいときは /tui だけを打つと教えてくれます。
一方で Ctrl+E(全内容の表示切替)と、抜けるための q Ctrl+C Esc の3つには、この前提が付いていません。普通の描画でも使えます。ここの線引きは正確に押さえておきたいところ。
「料理ブログ開発の長いセッション」を例に、実際の手順を見る
料理ブログのサイトを作る作業を、Claude Codeと半日やったとします。数十回やりとりして、途中でClaudeが直したファイルやエラー対応を見返したい。この場面で各キーを順に使ってみます。
ステップ1: まず全画面表示モードに切り替える
会話の中で次を打ちます。これをやらないと ? や { } が無反応のままです。
/tui fullscreen
入力欄が画面の下に固定されたら全画面表示モードに入った合図です。
ステップ2: Ctrl+O でトランスクリプトビューアを開く
Ctrl+O を押すと、会話の記録がずらっと出ます。Claudeが叩いたコマンドの中身も展開されて見えます。
Ctrl+O
ステップ3: ? でショートカット一覧を呼ぶ
「このビューアで何が押せるんだっけ」となったら ? を押します。使えるキーの一覧パネルが開きます。もう一回 ? で閉じます。
ステップ4: { と } で自分の発言を飛び石ジャンプ
料理ブログの会話だと「レシピ一覧ページ作って」「次はカード型のレイアウトに」みたいに、あなたの指示が節目になっています。{ で前の自分の発言、} で次の自分の発言へ一気に飛びます。1行ずつスクロールするより圧倒的に速い。
ここで初心者がやりがちな勘違いを1つ。「Claudeの返答単位で飛ぶ」と思いがちですが、飛ぶのはあなたが打った指示の単位です。会話の骨組みを指示でたどる感覚です。
ステップ5: / で文字検索、n で次の一致へ
「あのエラー文だけピンポイントで探したい」なら / で検索を開いて文字を打ちます。Enter で確定、Esc でキャンセルして元のスクロール位置に戻ります。検索バーを閉じたあとでも n で次の一致、N で前の一致へ飛べます。j k で1行ずつ、g で先頭、G で末尾へも動けます。
ステップ6: [ で端末に書き戻す、または v で別アプリに持ち出す
全画面表示モード中は、会話が端末のいつもの履歴に積まれません。だから端末側の Cmd+F やtmuxの検索が会話を見つけられないんです。公式の説明を引きます。
Your terminal's
Cmd+fand tmux search don't see the conversation because it lives in the alternate screen buffer, not the native scrollback.
そこで [ を押すと、会話の全文を端末のいつもの履歴に書き出してくれます。書き出したあとは普通のテキストなので Cmd+F でもtmuxのコピーモードでも検索できます。もっとがっつり読みたいなら v。会話を一時ファイルに書き出して、いつものメモ帳アプリで開いてくれます。
見終わったら q か Esc でビューアを抜けます。Ctrl+O をもう一度押してもトグルで閉じられます。
つまり ? / { / } / [ / v / q は何をしてくれるのか
- やってくれる: ビューアの中での見返し補助。一覧表示(
?)、自分の発言へのジャンプ({}で)、端末への書き戻し([)、別アプリへの持ち出し(v)、退出(q) - やってくれない: 会話の恒久保存。
vが書くのはあくまで一時ファイルで、残し続ける用途なら/exportが別にあります - 意味が薄い場面: 数ターンしかない短い会話。スクロールで十分見えるので、わざわざビューアを開くまでもないです
使いどころ3シナリオ(具体題材で再現)
シナリオ1: 料理ブログで直したファイル名を確認したいとき
レシピ投稿フォームの不具合を直してもらったあと、別の作業を20ターンほど続けた。「あのとき直したのは recipe-form.js だったか recipe-card.js だったか」。Ctrl+O でビューアを開き、{ を連打して当時の自分の指示まで戻れば、その下にClaudeの編集内容が並んでいます。ファイル名がすぐ見つかります。
シナリオ2: 家計簿アプリ開発でエラー文を検索したいとき
家計簿アプリのテストが落ちて、Claudeがログを貼ってくれたのが30ターン前。/ で検索を開いて「Error」と打てば、会話中のエラー箇所に一気に飛べます。n で次々と一致をたどれるので、似たエラーが複数あっても見比べられます。
シナリオ3: OSSをcloneした直後の長い解析ログを端末で検索したいとき
GitHubから持ってきたプロジェクトをClaudeに読ませて、構造を解析させた。出力が膨大で、全画面表示モードだと端末の Cmd+F が効きません。Ctrl+O から [ を押せば全文が端末のいつもの履歴に書き戻され、見慣れた Cmd+F やtmuxのコピーモードでそのまま検索できます。手に馴染んだ道具で探せるのは地味に効きます。
初心者が踏みやすい落とし穴
Ctrl+Oさえ押せば全部使えると思い込む。?{}[vの5つは全画面表示モードが前提。/tui fullscreenを先に打っていないと無反応です。[で「保存される」と勘違いする。[は端末のいつもの履歴に会話を書き出すだけ。ファイルとして残すのはv(しかも一時ファイル)で、恒久保存なら/exportが別にあります。[の書き戻しが永続だと思う。公式いわく「This lasts until you exit transcript mode... The nextCtrl+ostarts fresh.」。ビューアをEscかqで抜けると終わり、次のCtrl+Oではまた最初からやり直しです。- 長い会話で
[が一瞬固まって焦る。公式に「Long sessions may pause for a moment while this happens.」とある通り、書き出しに少し待ちが入るだけです。壊れたわけではありません。 vが意図したアプリで開かない。vは$VISUALか$EDITORという「パソコンが起動時に覚えてる設定値」を見て開きます。未設定だと思った通りのアプリで開きません。設定値の中身はecho $EDITORで確認できます。Ctrl+Eの意味が場所で変わる。入力欄では「行末へ移動」、ビューアの中では「全内容の表示切替」。同じキーで役割が違うので、どっちの画面にいるか意識しておきたいところ。- 退出キーが1つだと思い込む。抜けるのは
qCtrl+CEscの3つとも有効で、さらにCtrl+Oのトグルでも閉じられます。3つともキー割り当てのtranscript:exitで変更できます。 - 全画面表示モードの挙動を「確定仕様」と思う。お試し公開の段階なので、公式が「Behavior may change based on feedback.」と書いている通り、今後動きが変わる可能性があります。
書き方
Ctrl+O でビューアを開く → ? / { / } / [ / v / q
(? { } [ v は /tui fullscreen で全画面表示モードに切り替えてから)
やってみるとこうなる
入力
/tui fullscreen
Ctrl+O
{
出力例
Ctrl+O でトランスクリプトビューアが開き、{ を押すと一つ前の自分の発言(指示)まで一気にジャンプする。その下にClaudeが叩いたコマンドや編集内容が並ぶので、数十ターン前に直したファイル名やエラー内容をすぐ見返せる。
このページに出てきた言葉
- トランスクリプト
- 会話の記録、やりとりの全文のこと。あなたとClaudeの発言、Claudeが叩いた<code>コマンド</code>の中身まで全部含む
- トランスクリプトビューア
- 会話の記録を1画面にまとめて表示する専用モード。<code>Ctrl+O</code> で開く
- 全画面表示モード(fullscreen rendering)
- vimやhtopのように端末の画面を丸ごと使う新しい描画方式。<code>/tui fullscreen</code> でオンにする、まだお試し公開の機能。<code>?</code> <code>{</code> <code>}</code> <code>[</code> <code>v</code> はこれが前提
- スクロールバック
- ターミナルが、画面の上に流れていった過去の出力を覚えている履歴。上にスクロールすると見えるあれ。<code>[</code> はここに会話を書き出す
- $VISUAL / $EDITOR
- パソコンが起動時に覚えてる設定値の1つで、文章を開くときどのアプリを使うかを指定する場所。<code>v</code> はこの設定値を見てアプリを開く